教科書「過度な宣伝」17件…都教委調査
読売新聞 2015年09月04日
◆手みやげ持参、自宅へも
中学校の教科書採択を巡り教科書会社が教員宅を訪問するなど過度な宣伝活動をしていた問題を受け、都教育委員会が各区市町村教委を通じて実態調査をしたところ、都内でも今年4〜5月に同様の事例が17件あったことがわかった。都教委は3日、文部科学省に調査結果を報告した。
文科省は、教科書会社に対し、教育委員会や学校に宣伝目的で教科書の見本などを送付・提供することを過度な宣伝活動として禁じている。教育委員会の職員や教員の自宅訪問は、見本などの提供がなくても過度な活動とみなしている。
都教委は今年6月、「元中学校長が教科書会社の社員とともに学校を訪問して、採択に関して圧力をかけている」との告発を受け、区市町村教委に調査を依頼した。この元中学校長による学校訪問は3件あったが、いずれも宣伝活動とは認定できなかったという。
一方で、教科書会社6社の社員らが過度な宣伝活動をしていたケースが計17件発覚。4件は教育委員会や学校に教科書の見本などを宣伝目的で提供、13件は教職員らの自宅を訪問していた。自宅訪問では2件で手みやげも持参していた。
いずれのケースも見本や手みやげなどを受け取っていないといい、都教委の担当者は「教科書の採択に影響は出ていない」と説明している。