教職員の飲酒検査を開始 福岡市教委、車通勤を対象

教職員の飲酒検査を開始 福岡市教委、車通勤を対象
西日本新聞 2015年09月03日 03時00分

 相次ぐ飲酒運転の不祥事を受け、福岡市教育委員会が車通勤の教職員を対象に実施するとしていた学校現場の飲酒検査が始まった。市立の幼稚園から高校までの全231校の教職員約8900人が対象で、原則来年3月末まで月2回、不定期に行う計画。飲酒運転撲滅のための“苦肉の策”だが、現場からは戸惑いの声も漏れる。

 市教委は8月26日付で各校に実施を通達。各校はアルコール検知器の準備が整い次第、実施する。自家用車や自転車で通勤する教職員に対し、出勤後30分以内を目安に、抜き打ちで行う。検査値は教職員同士で確認し、記録簿に名前や検査時間、測定値、確認者を記入、署名する。

 アルコールが検知された教職員は別の機器を使った再検査を受け、それでも検知した場合は校長などの管理職が面談。前夜の飲酒量や時間、場所などのほか、においがあるかやろれつが回っているかなどを記録する。酒気帯び運転となる基準(呼気1リットルあたり0・15ミリグラム以上)が検知された場合は、休ませるか、子どもと会わない仕事をさせるかする。警察に通報することも「あり得る」(教職員第2課)という。ある市立小学校の教頭は「平日は忙しく、ほとんどの教員が酒を飲まない。やる意味がどれほどあるのか」と話す。

=2015/09/03付 西日本新聞朝刊=

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