男子中学生がいじめで胸骨骨折の重傷 姫路市教委「重大事態」

男子中学生がいじめで胸骨骨折の重傷 姫路市教委「重大事態」
神戸新聞NEXT 2015年9月16日(水)7時30分配信

 兵庫県の姫路市立小中高校の4〜7月のいじめ認知件数が、前年同期より6件少ない27件だったことが15日分かった。同日開かれた市議会文教委員会で市教育委員会が報告した。一方で、この認知件数に含まれていないケースで、市内の中学校の男子生徒がいじめにより骨折の重傷を負う事案があり、「重大事態」として対応していることを明らかにした。(山崎史記子)

 市教委によると、「重大事態」は4〜7月に発生。市立中学校の運動部に所属する3年と2年の男子生徒2人が、1年の男子生徒3人に対し、いじめを繰り返していた。プールや海に無理やり沈めたり、揮発性の香水を腕に塗って火を付けたりしたほか、殴る蹴るの暴行もあったという。

 運動部顧問の男性教諭が7月になって異変に気付き発覚。いじめを受けた3人のうち1人が、胸骨骨折の重傷を負っていたことも判明した。

 市教委は県教委に報告したほか、悪質性から警察にも相談。保護者を交えて話し合い、現在は解決に向かっているというが、学校とともに生徒のケアに当たっている。中杉隆夫教育長は「今回の事案は、通常のいじめ調査では判明していなかった。教員側も反省すべき点が多い」などと述べた。

 一方、定期的な調査を基にした4〜7月のいじめ27件の内訳は、小学校17件(前年同期16件)▽中学校10件(同15件)▽高校0件(同2件)。うち18件は、解消に向けた対応が続いているという。

 文部科学省が全国に実態調査のやり直しを指示したことなども受け、姫路市教委は今月上旬、いじめに特化した臨時校長研修会を開催。「認知件数の多少ではなく、実態を確実に把握して対応することが重要」などと呼び掛けたという。

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