<組み体操>大阪府八尾市小中学校 事故で12人骨折

<組み体操>大阪府八尾市小中学校 事故で12人骨折
毎日新聞 2015年10月5日 15時0分配信

ピラミッドが崩れ、男子生徒が骨折するなどした大阪府八尾市立大正中学の体育祭=ユーチューブより
 大阪府八尾市の小中学校で昨年以降、組み体操の本番や練習中に少なくとも12人の児童生徒が骨折していたことが、同市教委への取材で分かった。事態を重く見た市教委は来年以降、組み体操の種目や安全対策を検討する。

 市教委によると、市立亀井小学校で先月、5年女児と6年男児が足の指や腕を骨折した。男児は肩の上に立って円塔をつくる「3段タワー」の練習中にバランスが崩れ、一番上から飛び降りた際に腕を骨折した。当時、周辺に教員が2人いたが、受け止められなかったという。別の小学校でも同月、6年男児が左腕を骨折した。

 市立中学校では今年4月以降、体育祭当日や練習中に1〜3年の男子生徒5人が腕などを骨折した。このうち大正中では9月27日の体育祭で10段ピラミッドが崩れ、1年の男子生徒が右腕を骨折、5人が打撲などの軽傷を負った。同校では昨年度も体育祭で10段ピラミッドが崩れ、3年の男子生徒が右足首の骨を折るなど、練習中も合わせて計4人が骨折した。

 市教委の担当者は「組み体操は仲間意識や団結力の向上、達成感を得られるが、今後は各校とも協議して高さや種目を見直すなど、安全対策を考えたい」と話した。

 松井一郎知事は5日、記者団に「去年の事故は報告が来ていない。(事故が相次ぐ中で)演技を続けたのであれば市教委が重大性を認識していなかったことになる。必要であれば府教委から指導助言していく」と述べた。

 組み体操の事故は各地で相次いでおり、日本スポーツ振興センターによると、災害共済給付制度で医療費が支給された件数は2013年度に全国の小学校で6349件、中学校で1869件、高校で343件に上った。

 大阪市教委は先月、「ピラミッド」は5段、「タワー」は3段までなどと段数や練習を制限することを決めた。【寺岡俊、松井聡】

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