小中高いじめ2606件、前年比480件増 県内公立校4〜7月、小学校1.5倍

小中高いじめ2606件、前年比480件増 県内公立校4〜7月、小学校1.5倍
山形新聞 2015年10月20日(火)12時1分配信

 県教育委員会は19日、2015年度のいじめに関する第1期調査(4〜7月)の結果を公表した。天童市の中1女子が学校でいじめを受け自殺した問題を受け、13年度末に導入した県独自の統一アンケートなどを通じ、公立小中高で前年同期比480件増となる2606件を把握。先に開示された天童市のいじめ問題に関する報告書を踏まえ、いじめ防止に向けた新たな検討課題を設けて状況改善につなげる方針も示した。

 県庁で開かれた県いじめ問題審議会(会長・河野銀子山形大教授)で県教委が説明した。小学校は1654件で、前年同時期に比べて1.5倍ほど増えた。中でも4年生が全学年を通して最多の315件。統一アンケートは「冷やかしやからかいがある」など当てはまる項目に「○」を付ける方式で、県義務教育課は「(児童から)記入しやすいとの声が上がっていることに加え、先生の面談によって認知件数が上がった」とし、積極的にいじめの把握に努めていることが増加の要因と分析している。

 中学校は前年同期比43件増の664件、高校は143件減少して288件だった。昨年から本格的に調査を開始した特別支援学校は23件を把握し、13件減った。06年度にいじめの統計を取り始めて以来、年間を通した件数は14年度が最多の4274件。13年度が2番目に多い2673件となっている。

 天童市の中1女子の自殺問題で第三者委員会がまとめた報告書を踏まえ、今後、検討が必要な課題を5項目に集約した。部活動におけるいじめの未然防止、子どもが出す小さなサインを組織的に把握することなどを推進するとしており、出席した委員からは「部活動の大会で子どもたちは結果を出すことに振り回され、人間形成のための指導が行われているかを検証するべきだ」「いじめの傍観者をなくす手だてを考えてほしい」といった意見が出された。

 県教委は今後、第2期(8〜12月)、第3期(1〜3月)の調査と合わせて本年度分をまとめる。

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