文理佐藤学園元学園長の不適切支出は5600万円 同族経営を廃止

文理佐藤学園元学園長の不適切支出は5600万円 同族経営を廃止
産経新聞 2015年11月27日(金)7時55分配信

 学校法人「文理佐藤学園」(事務局・狭山市)の元学園長、佐藤仁美氏(44)=懲戒解雇=による学園経費の私的流用問題で、同学園は26日、記者会見を開き、学園長に就任した平成21年以降に支出した約1億1500万円のうち約5600万円が不適切だったと発表した。仁美氏の母で常務理事だった富美子氏(72)を諭旨解雇し、問題の背景にあった同族経営を廃止する。理事会は刑事告訴も検討している。

 会見で、創立者で仁美氏の父、英樹理事長(80)は「児童、保護者や教職員に大変申し訳ない」と謝罪した。英樹氏は学校運営から離れる一方、理事長職にとどまり、理事長報酬50%を2年間返上する。仁美氏が返済した約1500万円を除く約4100万円は英樹氏と仁美氏が連帯して賠償するという。

 学園によると、仁美氏は21年9月から27年7月まで計20回、海外出張し、法人カードを使って国内外で書籍や雑誌、雑貨、アクセサリーなどを購入。学園側は支出のうち約5600万円について「費用対効果の悪い長期間の海外出張。法人カードの使用は多数で私的流用を疑わせる」とした。

 仁美氏は8月に脳梗塞で倒れて以来入院中で、10、11月に2度、病室で外部理事らの事情聴取に応じた。聴取では、米国出張でディズニーワールドやカジノを訪れたことは認めたが、「遊びではなく視察。アクセサリーも学園のために買った」と説明し、反省の弁はなかったという。

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