組み体操負傷率、1位は兵庫 全国平均の2・5倍
神戸新聞NEXT 2015年12月27日(日)8時0分配信
小中学校で行われた組み体操で、児童生徒1万人に対する都道府県別の負傷率を調べたところ、兵庫県が全国一高かったことが分かった。全国平均の2・5倍に上っており、調査した大阪経済大情報社会学部の西山豊教授(数学)は「教育委員会は早く対策を講じるべき」と指摘する。(上田勇紀)
西山教授は、兵庫県で組み体操の事故件数が多いことを報じた神戸新聞の記事で興味を持ち、10月に調査開始。日本スポーツ振興センター(東京)から提供を受け、2012、13年度の組み体操事故の災害共済給付件数から算出した。給付金は、学校で児童生徒が負傷した場合などに医療費が支払われる。
西山教授によると、両年度の2年間で、小中学校の事故件数(医療費を給付した件数)は兵庫県で1890件(このうち骨折548件)。大阪府の2074件(同531件)に続き、全国で2番目に多かった。一方、児童生徒1万人に対するけが人の数を調べると、兵庫県が19・9人と全国最多。福岡県14・7人▽大阪府14・2人▽三重県13・6人▽鳥取県13・2人−と続いた。全国平均は8人だった。
兵庫県は特に中学校で割合が高く、全国平均5・4人に対し、26・1人。全国2番目に多い福岡県14・6人を大幅に上回った。
「兵庫県は組み体操が盛んであることに加え、中学校でけがが生まれやすい状況にある」と西山教授は話す。
兵庫県教育委員会は事故多発を受けて実態調査を進めており、年度内に対策をまとめる方針。