「先生、叩かないで」寝言で叫び失禁 中国の体罰 ネットで炎上 「体に良い」と開き直るトンデモ教師

「先生、叩かないで」寝言で叫び失禁 中国の体罰 ネットで炎上 「体に良い」と開き直るトンデモ教師
産経新聞 2015.12.25 11:00

 日本の教育現場では体罰は厳禁とされ、子供に体罰を与えた教師にさまざまな処分が科されるようになって久しいが、中国では体罰はまだまだ教育現場で繰り返されているようだ。子供たちが学校で体罰を受けたというニュースがたびたび中国メディアに報じられているほか、体罰をする動画がインターネット上に流れるケースも多い。寝言で「先生たたかないで」と大声で叫ぶほど精神的に追い詰められた子供もいるとの報道もある。ネット上では批判の声も殺到しているが、なかには容認の声もあるようで…。

5人の男児を次々と…

 今年10月、小学校の教室で女性教師が児童に体罰を与える様子をとらえた動画がネット上に掲載された。

 動画では、女性教師が、何かのペナルティーとして5人ほどの男児に対し、順番に、棒状のもので手のひら付近を繰り返したたいていた。男児らは列をつくって順番を待ち、自分の番になると、女性教師にきつい口調で説教されながら手に体罰を受けた。女性教師は時折大声を出しながら、けっこうな力を入れて殴打を繰り返し、中には、痛さのあまり天を仰ぎ、うめき声や泣き声をあげる男児もいた。

 この間、教室にいる他の児童らは、自席から体罰の様子をじっと“見学”。慣れているからなのか、特に変わった様子は見られなかった。

 動画が撮影された場所や時期は不明。中国メディアによると、動画がネット上に流れたことから、「こんなのは教育じゃない」「子供がかわいそうだ」などと批判的な意見が多く書き込まれたが、一方で「このような体罰も教育には必要」などの肯定的意見もあったという。また、動画では、撮影者とみられる男性の笑い声が聞こえる場面が何度かあったことから、ネット上では「撮影なんかせずに子供を助けろ」などの批判もあったという。

体罰は「免疫力を高める?」

 一方、11月中旬に山東省のメディアが報じたのは、同省の小学校で、女性教師が1年生児童に対し、自分の頬を音が出るように100回たたくよう強要した体罰だ。

 報道によると、対象はクラスの児童57人のほとんどで、児童の多くの頬が赤くはれた。女性教師は、自習時間に児童が騒ぎ、注意しても言うことを聞かなかったことに腹を立て、ビンタを強要したらしい。学校側は、この教師は経験が浅かったと釈明し、この事態を受けて他の学校に転任させたという。

 また同月、江蘇省の小学校で、3年生の男児が木製の棒で背中をたたかれるなどの体罰を繰り返し受け、男児が精神的に不安定になっている問題が地元メディアにより報じられた。

 それによると、この男児は、就寝中に「先生たたかないで」と寝言を大声で言ったり、失禁したりするなどの症状があり、さらに背中にはあざが残っていたという。母親の話では、担任の女性教師がほとんど毎日のように体罰を加え、男児は学校に行かなくなった。

 他にも体罰により精神状態が不安定になった児童がおり、母親らが女性教師を追及したところ、女性教師は体罰を認めた上で「体に悪い影響はない。逆に免疫力を高めるのではないか」と話したという。

算数の問題が解けなかった子に…

 今年1月には、陝西省の小学校で、1年生の担任教師が算数の時間に「7+○=12」という問題を解けなかった児童の顔を12回たたき、問題になったことが報じられた。

 報道によると、母親が児童の頬がはれているのに気付き、児童に事情を聴くと体罰を受けたと話した。担任教師はたたいたことを認めたものの、12回という回数については否定したという。

 このニュースに中国のネットユーザーは反応した。

 「こんな教師は失格だ」「外国ならすぐに逮捕される」「問題の数字が12じゃなくて100だったら、100回たたいたのか?」

 大多数がこうした批判的な意見だったが、「体罰のない教育はだめだ」「自分が子供のころは体罰は当たり前だった」などの肯定的意見も少なくなかったという。

 中国でも体罰が問題になることはあるが、容認する意見もあることなどから、厳格に規制するまでには至っていないようで、今後も体罰をめぐる問題は散見されそうだ。

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