<小4男児自殺>「いじめ」学校アンケに記述 沖縄・豊見城
毎日新聞 2016年1月10日(日)20時15分配信
沖縄県豊見城(とみぐすく)市教育委員会が10日、記者会見し、昨年10月に市内の小学4年の男児(9)が自宅で首をつって自殺していたことを明らかにした。男児は直前に学校が実施したアンケートにいじめが疑われる内容の記述をしていたが、学校側がその内容を把握したのは自殺を図った後だった。市教委は第三者委員会を設置して調査しているが、「現時点で自殺につながるようないじめは確認されていない」としている。
市教委によると、昨年10月12日に男児が自宅の自室で首をつっているのを家族が見つけ、病院に搬送されたが19日に亡くなった。遺書などは見つかっていない。
学校が9月29日に実施した、いじめに関する定期的な無記名アンケートに男児はいじめが疑われる記述をしていたが、校長は「教育相談のためのアンケートで、別の仕事を優先させて集約が遅れてしまった。担任教諭には男児がいじめられているという認識がなかった」と釈明した。
市教委は11月に第三者委を設置して調査を始め、児童と教職員にアンケートと聞き取り調査を実施。その結果、9人の児童が男児が服を引っ張られたり、机から物を落とされたりしていたのを目撃したと回答し、2人が男児の物を取るなどしたと答えた。だが、調査途中の第三者委は「自殺につながるようないじめは現時点で確認されていない」としている。
一方、両親は学校側に対して、男児がトイレに閉じ込められたり、物を取られるなどいじめを受けていたと訴えているという。
市教委は今後、児童に対してアンケートを再実施する。照屋堅二教育長は「何が起こったのかを知りたいと願う両親の気持ちに配慮し、真実を求めて誠心誠意取り組む」と語った。【佐藤敬一】