元准教授に退職金返還要求 京大病院汚職
京都新聞 2016年1月26日(火)22時30分配信
京都大医学部付属病院臨床研究総合センター(京都市左京区)の研究機器納入をめぐる汚職事件で、京大は26日、収賄罪で有罪が確定した元准教授の男性医師(48)を「懲戒解雇相当」とする処分結果を発表した。既に退職しており、退職金の返還を求めるという。
京大は、元准教授が医療機器販売会社の元従業員=贈賄罪で略式命令=から2010年12月〜13年10月、計約93万円相当の物品を受け取り50回以上の飲食接待を受けたと認定した。接待には他の医師2人が同席したこともあり、厳重注意した。
再発防止のため、教職員の倫理教育徹底や研究機器購入は複数人でチェックする体制を構築したという。会見した京大の湊長博理事は「システムより個人の倫理観の問題」と、防止の難しさをにじませた。
また元准教授の事件とは別に、京大病院の臨床工学技士だった40代の男性が、13年7〜12月、人工心肺で用いる遠心ポンプ23個について、実際には使っていないのに診療報酬を不正に請求していたことを明らかにした。既に辞職しているが、「停職1月間相当」とした。捜査機関と協議の上、刑事告発は見送ったという。湊理事は「極めて遺憾」と謝罪した。