韓国内工作員に実刑 朝鮮大元准教授がスパイ活動指示か
朝日新聞デジタル 2016年2月4日 10時15分配信
詐欺容疑で警視庁が逮捕した朝鮮大学校の元准教授・朴在勲(パクチェフン)容疑者(49)が北朝鮮からの指示を伝え、韓国で工作活動をしていたとされる人物は、韓国内で違法なスパイ活動をしたとして実刑判決を受けていた。捜査関係者などへの取材でわかった。朴容疑者との接触が、北朝鮮の思想を韓国に広める「対南工作」と認定されていた。
実刑判決を受けたのは、韓国の革新系政党「統合進歩党」(解党)の元党員(47)。捜査関係者によると、元党員は朴容疑者が韓国内の政治情報を集めるために工作員として誘い、育てた人物。朴容疑者が北朝鮮の工作機関「225局」から受けた指令を、暗号化したメールや発信者が特定できない電話などで伝え、韓国内の情勢を報告させていたという。
朴容疑者は複数の工作員と連絡を取っていたが、最も頻繁に接触していたのが元党員だった。元党員は、朴容疑者に韓国内の政治情勢を伝えるなどしたことが国家保安法違反罪に問われ、昨年5月に懲役5年などの実刑判決が確定した。
警視庁公安部によると、朴容疑者は北朝鮮と韓国内の工作員との連絡役。公安部は、別の詐欺容疑で朴容疑者の自宅を捜索した昨年6月、工作活動を証拠付ける様々な指示文書を見つけた、と説明する。
公安部は2日、架空人物名義のクレジットカードで買い物をした詐欺の疑いで朴容疑者を逮捕。だが、国外でのスパイ活動を取り締まる法律は日本になく、韓国で関わったとされるスパイ活動では罪に問われないという。