小学校長がPTA会費480万円を横領 当初は否定「発覚以来、生きた心地しなかった」
産経新聞 2016年2月10日 16時38分配信
大阪市西区の小学校で教頭として管理していたPTA会費約480万円を横領したとして、市教委は10日付で、地方公務員法に基づき、同市淀川区の市立小学校の男性校長(55)を懲戒免職処分とした。すでに全額を返還している。
市教委によると、男性は「住宅ローンの返済に充てられるかもしれないと思った」と動機を語り、約120万円を買い物や生活費に使ったと認めている。
処分内容は、平成20〜22年度まで教頭を務めていた市立小学校で、20年10月からPTA会計の引き継ぎをしていた23年4月にかけて約100回にわたり、PTA会費計477万6277円を横領したとしている。
男性はPTA会費を管理する銀行口座から現金を引き出し、封筒に入れて学校や自宅に持ち帰り、保管していた。21年4月から23年3月に約120万円を使い込み、一部は住宅ローンの支払いにも充てた。23年4月に転勤となり引き継ぎをしていた際に通帳を作り直し、全額を返済していた。
市教委に文書で告発があり発覚した。男性は当初、市教委に事情聴取に横領を否定した。市教委が銀行から取引記録を復元して取り寄せ、PTA会計の決算書と内容が一致しないことを確認した上で改めて尋ねると、横領を認めたという。
男性は、「発覚以来、生きた心地がしない毎日だった」と話しているという。市教委は刑事告発も視野に大阪府警に相談する方針。
市教委の忍康彦教職員服務・監察担当課長は「学校教育への信頼を著しく損ない、教員を指導する校長としてあるまじき行為で深くおわびする」と陳謝した。