組み体操、兵庫は段数制限せず 県教委が通知
神戸新聞NEXT 2016年3月29日(火)16時47分配信
小中学校での組み体操で児童生徒のけがが相次いでいる問題で、兵庫県教育委員会は29日、四つんばいの姿勢で積み重なる「ピラミッド」や、肩の上に立って塔をつくる「タワー」の段数制限は行わず、全員がけがなく演技を終えることを最優先に指導するよう県内公立学校に通知したと発表した。
県教委によると、県内公立中学校では2015年度、ピラミッド実施232校のうち56校(24%)で負傷事故が起き、タワーは実施207校のうち45校(22%)で事故が起きた。小学校の事故発生率はピラミッドが5%、タワーが9%だった。
スポーツ庁は国として一律の禁止や制限はせず、各学校が教育効果と危険性のバランスを判断するよう各都道府県教委に通知していた。県教委は「段数の高低が事故の件数と比例しているわけではない」として段数規制を見送った。
県教委は通知で「組み体操実施の可否や演技内容は、校長が指導体制や児童生徒の体力、集中力などを踏まえて総合的に判断し、詳細な指導計画を作成する」とし、実施の場合は習熟度に応じた指導や十分な補助態勢の確保を求めた。
さらに、「演技者の習熟度合いを把握し、担当する段や位置を変更する」「子どもが緊張感を持続できる時間内に指導する」など、具体的な指導ポイントも指示した。
組み体操をめぐっては、大阪市教委が2月、ピラミッドとタワーの禁止を決めたほか、神戸市教委も「段数や技の規制が必要」などとする検討委員会意見を基に方針を最終調整している。(森本尚樹)