部費29万円使途不明 熊本市立中教諭
熊本日日新聞 2016年06月16日
熊本市の中学校に勤める50代の男性教諭が、担当する部活動の部費を、実際には使っていないにもかかわらず支出したように処理するずさんな管理をしていたことが15日、分かった。約29万円が使途不明となり、保護者の指摘で2月に発覚した後、教諭が返金した。市教委は教諭の処分を検討している。
市教委と学校によると、部費のほとんどは部員から徴収し、会計担当の保護者が管理。必要な支出がある場合に教諭が現金を受け取って、相手方に支払う仕組みだった。教諭はイベント参加費など具体的な支出内容を伝え、昨年4月から今年2月までに総額47万8160円を預かった。しかし、実際の支出が伴わない金額が28万8280円に上った。このうち5万円は昨年7月、「外部講師を呼ぶ」と言って受け取ったが、招請の事実はなかったという。
実際に物品を購入したケースでも、問題が発覚するまで業者への支払いを滞らせていたものもあった。市教委と学校によると、教諭は「お金は預かったまま放置していた。管理がずさんだった」と話し、流用や横領は否定しているという。
この教諭をめぐっては部活動の指導中、生徒への暴言も繰り返していたとして学校は近く、生徒や保護者に対して謝罪する。市教委は「部費のずさんな取り扱いや、教育者にふさわしくない言動を重く受け止め、処分を検討している」と話している。(九重陽平)