群大手術死問題で遺族会結成…真相究明、病院に要求

群大手術死問題で遺族会結成…真相究明、病院に要求
読売新聞(ヨミドクター) 2016年6月27日(月)9時57分配信

 群馬大学病院の手術死問題で、死亡した患者の遺族会が26日結成され、群馬県高崎市内で初会合が開かれた。

 11遺族が参加の意向を表明。真相究明と、病院の真の再生に向けた継続的な協議などを求める統一要求書を作り、同日付で病院など関係先に送付した。会合後、活動を支援する弁護団と記者会見した遺族は「会の結成が、群大側の真摯(しんし)な対応につながるのではないか」と結束の意義を語った。

 11遺族は、日本外科学会の検証対象となった患者50人の遺族のうち9遺族と、対象外の2遺族。当初から問題になっていた旧第二外科だけでなく、旧第一外科の手術後に死亡した患者の遺族も参加した。初会合で、腹腔(ふくくう)鏡による肝臓手術で父親を亡くした男性と、膵臓(すいぞう)の開腹手術で妹を亡くした男性が、代表に選ばれた。

 会合の後、代表2人と遺族1人が記者会見。「同じ痛みを持つ者が集まるのは意義深い。再発防止に向けて、私たちも努力したい」と決意を表明した。遺族はこれまでも、死亡例の多くに関わった執刀医と上司の旧第二外科診療科長(教授)に面会と説明を強く求めているが、実現していない。代表の男性は「群大の連絡や対応が遅く、不安な状態が続いている。早急な対応を求めていきたい」と話した。

 会合では、執刀医や教授の医師免許取り消しなど、行政処分を求める声も多く上がったという。もう一人の代表は「適性が欠けた医師に、これ以上、医療行為を続けてほしくない」と思いを語った。

 要求書では病院に対し、日本外科学会がまとめた医学的検証の公表や、これまでに聞き取りの対象になっていない遺族からの意見聴取なども求めた。また、弁護団は病院から「第三者調査委員会の報告書を7月中に公表する」と通知があったことを明らかにした。

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