<茨城県>県立高2教諭 免許更新怠り失職 生徒の単位有効
毎日新聞 2016/12/2(金) 11:08配信
茨城県教育委員会は1日、県立高校の男性教諭2人が教員免許の更新手続きを怠り、失効状態で勤務していたと発表した。2人は失効翌日付で失職した。再び教諭として教壇に立つには採用試験を受け直す必要があるという。
水戸工高の工業科教諭は、1994年4月に高校工業、2004年9月に高校情報の免許を取得。14年9月末の失効前に更新手続きを行う必要があったが、12年6月に別の高専工業の免許を取得したことで自動延長されたと勘違いした。11月22日に本人が校長に相談して発覚。失効までさかのぼり、14年10月1日付で失職とした。
鉾田二高の社会科教諭も、新たな免許を取得したことで自動延長されたと思い込み、16年3月末の失効前に更新手続きを行わなかった。水戸工高のケースを受け、県教委が全県立高に免許の確認を行うよう求め、判明。男性教諭は16年4月1日付で失職となった。
各校長は免許失効期間の授業を適切な内容だと判断し、生徒の単位は有効とした。また失職後に支払われた給与の返還は求めない。
教員免許の更新制度は09年度に導入された。更新には大学などで計30時間の講習を自費で受ける必要がある。はじめに取得した免許が09年度以降か前かで更新方法が異なる。
09年度以降取得の新免許は、10年間ごとの有効期限が決められ、複数の免許を持つ場合は最も遅く満了になる免許の期限に自動で統一される。一方、導入前の旧免許には有効期限がなく、決められた期間までに講習を受けなければ失効する。複数の免許を持つ場合でも、講習期間は自動統一されず、申請が必要だという。
県教委は「免許更新が必要との意識があまり浸透していない。制度がややこしいため注意喚起を徹底したい」と話している。【山下智恵】