会津の女子高生自殺 いじめ要因と認定 県調査委答申 学校も対応怠る

会津の女子高生自殺 いじめ要因と認定 県調査委答申 学校も対応怠る
福島民報 2017/3/29(水) 11:41配信

 会津地方の福島県立高校で平成27年9月に女子生徒が自殺した問題を再検証してきた県いじめ問題調査委員会は28日、部活動内のいじめと自殺の因果関係を認定し、学校が積極的な対応を怠ったのも要因とする報告書をまとめ、県に答申した。いじめを認めた上で、自殺との因果関係は認めなかった県教委の第三者委員会とは異なる判断をした。

 県いじめ問題調査委は女子生徒が所属していた部活動内で起きた一部生徒による女子生徒だけへの無視や乱暴な言葉での注意、練習から外した行為をいじめと認定した。担任がこうしたトラブルを認識し、校内会議で議題としながらも対応を部活動の顧問に任せていたことなどを問題視した。
 女子生徒が欠席しがちとなった後も見守りや生徒アンケートなどの組織的な対応を怠ったと指摘した。「学校側の不適切な対応が自殺に追い込んだ大きな要因」と踏み込み、いじめと学校の不適切な対応が自殺につながったと結論づけた。
 福島市内で記者会見した神山敬章委員長(65)=明星大教育学部教授=は「校内の対策委員会などがほとんど機能せず、教職員間で情報共有がなされていなかった」と批判。再発防止に向けて報告書に記載した11項目の提言を説明した。
 女子生徒の自殺を巡っては、県教委の第三者委員会が28年2月に報告書をまとめたが、遺族が医学的・心理学的視点が不十分として県に再調査を申し立てた。
 県教育庁高校教育課は「大変厳しい指摘として重く受け止める。報告書を精査した上で対応策を公表したい」としている。

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