<青森・中2自殺>報告書案再説明も家族反発、委員交代要求
毎日新聞 2017/4/12(水) 9:55配信
青森市立中2年の葛西りまさん(当時13歳)が、いじめ被害を訴えて自殺した問題で、市いじめ防止対策審議会の櫛引素夫会長(青森大教授)らが11日夜、同市内で葛西さんの家族と面会し、最終報告書案について2回目の説明をした。家族は説明に受け入れられない点があるとして、さらなる調査と一部委員の交代を求める方針を明らかにした。審議会から市教委への報告書の答申日も決まらず、さらに遠のく可能性が出てきた。
葛西さんの父剛(ごう)さん(39)は審議会の説明後、草場裕之弁護士(仙台弁護士会)と記者会見。草場弁護士によると、報告書案には、りまさんが「思春期鬱」だったとの記述があり、自殺がいじめによるものではないとの印象を与える内容だった。家族はそう判断した理由の説明を求めたが、あいまいな答えだったという。家族は「思春期鬱」と判断した委員の精神科医の交代を求めるとしている。
剛さんは会見で、「会ったことも診断したこともない人に勝手に判断される。私たちにとって二度殺される思いだ」と語った。
一方で草場弁護士は、「いじめがあったことを前提として、学校の対応に大きな問題があったのではという認識を審議会の先生たちが持っていることは評価できる」と述べた。
審議会は3月26日、報告書案の内容を初めて家族に説明。納得を得られなかった部分が複数あったため、2016年度内に予定していた答申の延期を決め、一部表現などを再検討していた。当初は家族への再説明から1週間後に審議会に答申する予定だった。【夫彰子、佐藤裕太、一宮俊介】