<所得隠し>慈恵医大教授代表の会社と研究会が9000万円

<所得隠し>慈恵医大教授代表の会社と研究会が9000万円
毎日新聞 2017/4/16(日) 22:14配信

 ◇東京国税局の税務調査で指摘される

 血管外科の世界的権威として知られる東京慈恵医大の大木隆生教授(54)が代表を務める東京都内の教育研修・コンサル会社と医学研究会が、東京国税局の税務調査を受け、7年間に計約9000万円の所得隠しを指摘されていたことが分かった。追徴税額は重加算税を含め計約2000万円とみられる。修正申告などに応じ、納付を済ませたという。

 関係者によると、研究会は血管外科のシンポジウムを毎年主催し、その企画・運営などをコンサル会社が支援している。教授側は、研究会の活動は非営利の社会貢献にあたるなどとして税務申告をしていなかった。しかし、シンポジウムの会場では医療ヘルス機器も展示されて出展した企業から研究会に展示料が支払われており、国税局は収益事業に当たると判断した。

 このほか、打ち合わせ時の飲食代などの経費を巡り、コンサル会社が研究会から得た収入などについて、国税局は経理処理に問題があり所得隠しに当たると認定した模様だ。

 教授の顧問弁護士は取材に「国税局とさまざまな点で見解の相違がかなりあった。顧問税理士から争うべきだと助言を受けていたが、教授は患者の命と向き合う医療に専念するため早期決着を選択した」などとコメントした。

 教授は、ステントグラフトと呼ばれる人工血管を用いて動脈硬化や大動脈瘤(りゅう)を治療する第一人者として知られる。【松浦吉剛】

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