LGBTセミナー勧誘でトラブル 男性の講師派遣中止
徳島新聞 2017/8/1 10:44
徳島県教委から性的少数者(LGBT)に関する人権教育指導員を委嘱されている男性(32)=徳島市=が、LGBTに高額セミナー契約を勧誘して苦情が出ている問題で、県教委が学校などへの講師派遣・仲介を中止していたことが31日分かった。県教委は「事実確認が十分できておらず、各方面への影響を考慮した」と説明。また、男性が人権教育啓発講師を務める徳島市と阿南市は「対応を含め、検討中」としている。
徳島県教委人権教育課によると、2016年度、この男性を人権教育指導員に委嘱。県教委が窓口になって16年度に16回、17年度にも既に10回、県内の学校や県職員向けの講演・研修で、LGBTについての講師を務めてもらった。この際はトラブルの報告はなかった。
県教委は5月にインターネットで、高額セミナーを巡るトラブルを把握。本人に問い合わせたところ、トラブルを抱えている事実を認めたため、6月以降は新たな派遣依頼を受け付けていない。31日には報道を受け、講演を依頼済みの学校から「生徒への影響を考慮した」として、秋に行う講演への講師派遣を断る連絡があった。
この男性の人権教育指導員の任期は17年度末まで。県教委人権教育課の横畠道彦課長は「事実関係をしっかり確認し、今後も指導員を委嘱するかどうかも含めて、適切な対応を取りたい」と話した。
男性は16年4月から徳島市、17年2月からは阿南市の人権教育啓発講師を務める。阿南市で講師就任前に3回、徳島市では講師就任後に1回、市民らを対象に講演した。
男性は30日、徳島新聞の取材に「公の肩書きを使って信用を得ようとした事実はない。その辺りの線引きはきちんとしている」と話した。