“洗脳不倫”教授を放置… 女子学生の人生を狂わせた「慶応大学」の経営責任

“洗脳不倫”教授を放置… 女子学生の人生を狂わせた「慶応大学」の経営責任
デイリー新潮 2017/9/21(木) 8:00配信

「洗脳」で女子大生を支配した「慶応大」ムスリム教授の不倫講座(3)

 慶応大学総合政策学部の奥田敦教授(57)による「洗脳」不倫。標的となってしまった同大2年生の斉藤菜穂さん(21)=仮名=の両親は、大学に相談するも、大学は見て見ぬふりの対応に終始する。

 ***

 8月には両親と奥田教授の妻らによる菜穂さんの奪還劇が繰り広げられたが、以前に一度、両親が教授と話す機会があった。その際に奥田教授は“お嬢さんは重度の精神病”“妻と別れて結婚したい”などと述べる一方、“妻とも良好な関係”とも語ったという。

 同大でアラビア語などの講座をもち、自身もイスラム教徒である奥田教授に、菜穂さんの母親は「イスラム教は一夫多妻だとでも言いたいのか」と憤る。

 奥田教授は本当に一夫多妻を目指しているのか。だが、日本ムスリム協会の徳増公明会長は、

「たしかにムスリムは4人までの妻帯が認められていますが、日本で暮らす場合は日本の民法に従うのが原則だと思います」

 と言い、新井卓夫事務局長も継いで語る。

「それに浮気や不倫は大罪で、クルアーン(コーラン)に次ぐ第二の聖典ハディースには、既婚男性が未婚女性と不倫関係にあれば、男性には石打ち刑が、女性には鞭打ち刑が科せられる、との記載があります」

 さるイスラム関係者が補って言うには、

「石打ち刑とは、首から上が出るように地面に埋められ、投石して殺す残虐な刑罰。実際には法官の判断で刑が変わることがあり、かつてサウジの王子は不倫がバレて斬首されました」

「コメントできないって言ってるの!」

 イスラム法学者の奥田教授が自らの“罪状”を知らぬわけもなかろう。9月3日、ヨルダンから成田に着いたところを直撃すると、

「いえいえ、待ってくださいよ……。そういう認識はありませんけど……。考えがあってやってることですが、誤解されやすい格好になっているのがね……。そういう誤解を持たれるのは当然なのかな」

 当初はそう、のらりくらり答えていたが、大学に電話すると言って10分ほど話し込むと、その後は、

「一切ノーコメントということで。コメントできないって言ってるの!」

 の一点張り。その日の夜、自宅前でも、翌日、SFC(慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス)でも、「ノーコメント」にせいぜい「疲れてんだよ」と加える程度だった。

 代わりに慶応義塾広報室は真摯に答えるか。だが、

「大学としても調査ならびに当該教員への対応を継続して行っております、学生およびご両親に対しても、当初より大学としてできる限り真摯に対応をさせていただいておりますが、現在対応中の案件であり、これ以上の詳細は回答を控えさせていただきます」

 と書面で回答した。この大学にして、この教授あり。真摯に答える代わりに、不誠実さに両親が困りはてた対応を、「できる限り真摯」と自画自賛する慶応義塾大学の感覚は、どれだけ世間と隔絶していることか。現実は洗脳問題に詳しい紀藤正樹弁護士が、

「その先生を徹底的に糾弾しないかぎり、娘さんはすぐに先生のところに戻ってしまうでしょう」

 と、懸念を表明するほど深刻なはずである。

「経営責任が問われるべき」

 OBでもある慶大名誉教授は、匿名を条件に嘆く。

「宗教が絡んでいるとなると、一方的な思想に刺激されている可能性もある。OBとして聞くに堪えがたい醜聞で、教授は即刻、懲戒解雇されるべきです」

 慶大名誉教授で弁護士の小林節氏も言う。

「教授は学生から見ると明らかに優越的。その地位から特定の女子学生をマインドコントロールし、自分のマンションに寝泊まりさせるなど言語道断。しかも既婚者とは、大学人以前に人間として失格です。SFCは大学経営学の実践という形で旗揚げしたキャンパスですが、親御さんから預かったお嬢さんの人生を完全に狂わせ、それを大学として看過し、事態を悪化させている。大学の経営責任が厳しく問われるべきです」

 守るべきは学生よりも世間体。そういう大学に、私学の雄として君臨する資格があるはずがない。

「週刊新潮」2017年9月14日号 掲載

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする