盗撮 教室も対象へ 長崎の事案 立件困難 県条例改正で規制強化

盗撮 教室も対象へ 長崎の事案 立件困難 県条例改正で規制強化
長崎新聞 2017/12/5(火) 10:20配信

 長崎県警は4日までに、「公共」空間でみだらな行為を禁じる県迷惑行為等防止条例の一部を改正する方針を固めた。が、現行条例で教室は「公共」空間とはみなされず立件が困難な見通し。県警は条例改正で「公共」空間以外にも取り締まり対象を拡大する意向。

 長崎新聞は、と報じた。同校から相談を受けた長崎署が調べているが、捜査関係者は「教室は条例で規定する『公共の場所』に当たらず、立件は難しい」という。同校の保護者は「なぜ逮捕できないのか。この憤りはどこに向ければいいのか」と不満を口にする。

 条例は「公共の場所」または「公共の乗物」での「卑わいな行為」を禁じ、その行為に盗撮も含まれる。公園、駅、飲食店、電車、船舶などは不特定多数が利用するため「公共」空間に当たるが、教室は原則として、教師と子どもしか出入りしない閉鎖的な空間とみなされ、条例の対象外という。条例改正について県警は「なるべく早く県議会に改正案を提出したい」としている。

 警察庁によると、同様の動きは全国的にあり、4月1日現在、13道府県が既に条例を改正。規制対象に「特定かつ多数の者が利用」(宮城県など)、「公衆の目に触れる」(京都府など)といった表現を条例に加え、教室や会社事務所などでの盗撮を摘発できるようにした。

 九州・沖縄では福岡、宮崎、鹿児島、沖縄の4県で改正を終え、佐賀県警は開会中の県議会に改正案を提出している。熊本県警は来年の改正を目指しており、大分県警は「改正に向け作業中」としている。

 性犯罪被害者の対応に当たる飯田直樹弁護士(長崎市)は「場所に縛りがあるのはおかしい。盗撮は犯罪であり、きちんと取り締まるべきだ」と指摘する。長崎総合科学大の柴田守准教授(刑事政策)は「都道府県が条例で個別に対処するのではなく、法で全国一律で取り締まるべきだ」と話している。

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