京都大学の入学試験で出題ミス 不合格だった17人を追加合格
関西テレビ 2018/2/1(木) 20:31配信
京都大学は1日、去年の入試で出題ミスがあり、不合格としていた17人を新たに合格とすることを発表しました。
【京都大学の会見】
「このような事態が生じましたことは極めて遺憾であり、関係者の皆さま、国民の皆さまに心よりお詫び申し上げます。」
入試の出題ミスがあったのは、去年2月に京都大学で行われた2次試験で出題された物理の問題です。
音波に関する設問で、大学によると、前提とする条件が不足していたため、正しい答えを導き出せないということです。
1月15日以降、「解答不能ではないか」という指摘が外部から複数寄せられ、検証したところ、出題ミスが分かりました。
このミスを京都大学に指摘したのは、1月明らかになった大阪大学の入試の出題ミスを指摘したのと同じ予備校講師でした。
【予備校講師・吉田弘幸さん】
「大阪大の件が大きく報道されて、『去年の京大の似たような問題も怪しいんだけど』って(友人が)教えてくれて、僕も実際計算して解いてみた時に、これは条件足りないんじゃないかなと気付きました。京大からは返信はもらってません。」
今回の出題ミスによって、本来合格していたにも関わらず不合格とされていたのは17人で、大学はこの全員に改めて合格を通知し、ことし4月の入学を認めるということです。
また、合格したもののミスの影響で志望順位が低い学科に振り分けられた受験生も11人いて、入学できたはずの学科への転籍を認めます。
【京都大学の会見】
「1年間取り返しのつかない時間になってしまった、そのことに対する償いを十分誠意を持ってさせていただきたいと思っております」
Q.金銭的なところも含めて?
「そうです」
大学は、受験生がほかの大学や予備校に納めた学費に加え、慰謝料の支払いも検討しているということです。
京都大学に通う現役の学生は…。
【現役京大生】
「僕も1年浪人して入ったんで、後から今の時期になって『実は受かってました』ってなったらさすがにちょっとかわいそうやなと思いますね。」
【現役京大生】
「大学入試に対する信頼感はずっとあったから、大学側にミスが起きるっていうのはちょっと信じられないなという気持ちです。」
【予備校講師・吉田弘幸さん】
「大阪大の報道があった時に、京大の先生方、特に出題された方は同じような問題を出していたわけですから気付いたんじゃないかなと思うんです。その段階で対応取ってればもうちょっと早い対応も取れたと思うんですけど、その対応がなかったのが疑問ですね。」
京都大学は今回のミスを受けて、入試問題のチェック体制を強化するとともに、予備校などが公表する解答例も参照して、再発防止に努めるとしています。