<京大>入試中にミス発見 小問2問「解答不要」通知

<京大>入試中にミス発見 小問2問「解答不要」通知
毎日新聞 2018/2/26(月) 21:05配信

 京都大は26日、同日に実施した2次試験(前期日程)の化学で、試験途中に小問2問が不適切と気づき、会場で「解答しないでください」と通知した。問題文や図の計4カ所の誤りにも途中で気付いて順次板書で知らせたという。京大は「少なくとも試験終了30分前には周知を終えた。同じ時間に知らせており、不公平は生じていない」としている。

 京大によると、試験時間中に受験生と同時に教員が実際に問題を解きながら行った点検で、氷の原子配置に関する問題に不適切な箇所があることが判明し、小問2問の削除を決定。更に別の問題でも説明文など4カ所に訂正が必要と判断したという。化学は大問が全4問あり100点満点。削除した問題(配点は非公表)は採点から省いて合否判定をする。

 化学は理科(物理・化学・生物・地学)の選択科目の一つで、医学部など7学部の志願者5085人のうち化学を選択した人が受けた。志望学部により選択しなければならない科目数が異なり、2科目が必要な6学部の志願者は午後1時半〜4時半、1科目の教育学部(理系)の志願者は午後3時〜4時半に受験。京大は削除や訂正をいつ伝えたかは明らかにしていない。

 また、試験問題作成後の点検で、「結晶格子」とすべきところを「格子」と記載するなど問題文に計7カ所の誤りが見つかり、訂正部分を説明する冊子を問題用紙とともに配布した。

 京大には受験生からの苦情は26日夕時点では寄せられていないというが、インターネット上では「いっぱい訂正がきた」などと受験生の書き込みが相次いだ。

 京大では昨年の2次試験の物理の試験で出題ミスがあり、今年になって受験生17人を追加合格にした。これを受け、物理については昨年までは問題作成から試験当日まで3回だった点検を今年は5回に。その結果、事前点検で4カ所の補足説明が必要なことが判明し、問題と一緒に説明文を配布した。化学についても3回だった点検を4回にし、試験時間中に解答作業をする教員も増やしていた。

 京大入試企画課は「当日の試験問題チェック体制を強化したことにより、適切な内容へ修正することができたが、例年より訂正などを多く出したことは残念だ」と話している。【野口由紀】

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京大入試、削除・訂正13件…開始後判明ミスも
読売新聞 2018/2/26(月) 20:02配信

 国公立大学2次試験の前期日程は26日、面接や実技などを実施する一部大学を除き終了した。

 昨年の2次試験の物理のミスで今年になって17人を追加合格とした京都大ではこの日、化学の試験中に2件の出題ミスが判明し、急きょ設問から削除して受験生に解答しないよう呼びかけたほか、11件を訂正する異例の事態となった。

 削除されたのは、結晶を作る原子や分子が立体的に規則正しく並ぶ構造「結晶格子」についての化学の二つの小問。問題作成に関わっていない教員による試験中の点検でわかったという。

 化学ではこのほか、試験開始時に問題文の7件を訂正、さらに試験中、4件の誤りが見つかり、口頭で説明し、板書で示した。

 また、物理も問題文の不備から、試験開始時に4件の補足説明を行った。

 京都大は「出題ミスについては終了30分前までに削除を伝えた。他の問題の配点を変更して調整するので、試験結果に影響はない。訂正などが例年より多くなったことは残念」としている。

 しかし、工学部を志望し、化学と物理の両方を受験した北九州市の高校3年生(18)は「問題削除の説明があった時は、すでに問題を解いた後で、時間が無駄になった。ミスがないように注意を払ったのかもしれないが、訂正が多すぎて驚いた」と話した。

 昨年の2次試験の物理のミスで30人を追加合格とした大阪大でも今回、物理と化学で計8件の訂正や補足があった。

 東京大でも26日実施の地学で問題文の訂正が1件あったほか、物理と生物で計4件の補足があった。

 大阪大と京都大の昨年の2次試験ミスを指摘した東京都杉並区の予備校講師、吉田弘幸さん(54)は「試験開始時に訂正が示されても、今回のように多すぎると解きにくい。京都大の化学のように試験時間の途中で問題が削除されれば、すでにその問題に時間をかけて取り組んでいた受験生は不利になる。今後は事前点検をより万全にしてほしい」と注文をつけた。

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