熱中症の疑いで小1男児死亡 高温注意情報発令も「これまで大きな問題がなかった」 会見要旨 愛知・豊田市

熱中症の疑いで小1男児死亡 高温注意情報発令も「これまで大きな問題がなかった」 会見要旨 愛知・豊田市
中京テレビNEWS 2018/7/18(水) 11:41配信

 17日、愛知県豊田市の梅坪小学校1年生の男児が、校外学習の後、教室で意識を失い、病院に運ばれましたが死亡しました。死因は熱射病とみられるということです。17日の記者会見で、校長は高温注意情報が出ていたにもかかわらず「これまで大きな問題がなかった」ことを理由に、校外学習を実施したと話し、「判断が甘かったことを痛感しています」と謝罪しました。

会見要旨

校長:豊田市立梅坪小学校 薮下 隆 校長
課長:豊田市教育委員会 学校教育課 鈴木 直樹 課長

Q.校外学習を行った公園と学校の距離は?
校長:学校から約1キロ程度。子供の足だと大体20分程度だと思う。

Q.公園ではどのような事をしていた?
校長:きょうは公共施設の使い方と友達と仲良くするというのが目的だった。虫取り、遊具を使った遊びなどを行った。

Q.死亡した児童が体調不良を訴えることはなかった?
校長:朝の健康診断でも異常は訴えておらず、公園へ行った時も、友達に誘われて一緒に遊びに行ったと聞いている。

Q.死亡した児童は具体的に何をしていた?
校長:110人近い子供たちが公園で入り乱れて遊んでいるので、当該児童が何をしていたかは明確には答えられない。

Q.少なくとも児童が体調不良を訴えるようなことは無かった?
校長:はい
課長:担任からの聞き取りでは、出かけるときに(死亡した児童が)遅れたので「大丈夫、頑張ろうね」と手を引いて行ったが、「疲れた」という発言があったと聞いている。

Q.このような結果を招いたことについて学校としての受け止めは?
校長:この活動は1年生が生活科の中で、毎年行っている活動です。行った公園も学校から遠い距離ではなかったので、今回こういう高温の中で行かせてしまった事については、結果的に大事な子供の命が亡くなってしまうという事になったので、判断が甘かったと痛感しています。

Q.体調不良を訴えた時点で学校に戻すなど対応するべきだった?
校長:体調不良というところが少し難しくて、疲れたという言葉は行きと帰りに発したそうなんですが、お茶を飲んだりしてまた普通に列に戻って歩くことができたと聞いている。

Q.学校に戻ったあとはどこにいた?
校長:全員で運動場に集合した後は、クラスごとに教室へ戻った。そこで全員にお茶を飲ませたりしてから教室に戻した。

Q.お茶は水筒のもの?
校長:水筒を全員持ったことを確認して出かけている。

Q.教室に戻ってからすぐ体調不良を訴えた?
校長:最初は担任の教師が、途中で疲れたと言ったこともあり、男児が座っているところに寄り添って、目線の高さで話をしていたそうです。

Q.体調は悪そうだった?
校長:そこはしっかりと担任から聞き取れてはいませんが、普通に意識もあって、話もできたと聞いている。そのあと話しているうちに、唇の色が悪くなってきたので、担任は急いでその男子の手を引いて、教室の後ろのほうの床に座らせた。風通しがいいので。その後話しているうちに意識がすーっと遠のいていった。担任はその子の面倒を見たいと思ったので、クラスの別の1年生の子が職員室に来て、ほかの先生を呼びに来た。すぐに駆け付けて様子を見たところ、顔色もよくないということで、養護教諭が駆けつけて、AEDも使用し、心臓マッサージも続けていた。それと同時に、救急車への連絡と保護者への連絡をとった。
課長:意識がなくなった時に、呼吸や脈が確認できなかったので慌ててAEDを使ったと聞いている。

Q.診断が熱射病というのは、熱中症のひとつという解釈でよい?
課長:熱射病と聞いています。熱中症ではなく熱射病という医師の診断名があったと保護者から聞いた。保護者しかわからなかったので、保護者に確認したら「熱射病と言われました」と聞いた。

Q.死亡した児童は病気がちだった?
校長:私が毎朝学校全体の生徒の出欠状況は確認するが、いつもそこに名前が上がってくるような子ではなかったので、体が弱いとかそういう認識はなかった。保護者の方に書いてもらった資料でも持病はないと聞いている。

Q.担任の先生の性別は?
課長:女性の担任です。20代。クラス担任は2年目。

Q.塩分などの対策は?
校長:直接塩分のあるものを持たせてはいないが、万が一の場合に備えて、経口補水液は救急セットと一緒に持って行った。ただそれを飲みたいとか、飲ませなければいけないという状況が公園内では起きていなかったので、使っていなかった。

Q.帽子はかぶっていた?
校長:そうです

Q.先生から水分補給の指示はしていた?
校長:出かけるときにもまずお茶を飲ませて、スタートをして、歩いている途中はトイレに行きたくなると大変不都合も起きるので、また着いたら飲ませてという形。帰る前に集まった時も飲ませて、遊んでいる最中にも水筒の置き場所を決めてこまめに飲むよう声をかけていた。

Q.行き返りの途中は飲ませないようにしている?
校長:飲ませないというよりも、1年生だとトイレに行きたくて漏らしてしまう子たちもまだいるので、そういう配慮もあった。

Q.校外学習は毎年この時期に行っている?
校長:年によってカリキュラムがずれるが、虫をとるというのを狙いにしていることもあり、昆虫がいるような、冬の時期ではなくこういう時期に行くことが多い。

Q.気温は把握していた?
校長:子供たちが学校をスタートするときには外気温は32度だった。プールのところにある屋外の気温計が示していた。

Q.ほかに体調不良を訴えた児童は?
校長:戻ってきてから2人、少し頭が痛いと訴えていた子がいた。1人についてはすぐに保護者に連絡をとって迎えにきてもらった。もう1人は学校に戻った後他の生徒と元気に遊んでいたそうで、給食も食べて通常通り生活をしているので、著しく体調が悪くなったのは今回の男児だけです。

Q.これを受けての対策は?
課長:きょう(17日)考えて明日(18日)には、夏場の校外学習への注意喚起はすぐにしたい。子供の体調の管理、活動中の子供の観察、活動そのものの実施について柔軟に見直しをする。

Q.高温注意情報が出ていたが、校外学習実施の判断に影響は?
校長:注意情報は知っていたが、距離のこととか、今まで特に大きな問題もなく行ってきたことなので、止めるという判断ができなかった。

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