水球女子代表合宿が打ち切りの異常事態…連日炎天下でスパルタ練習や男子監督が批判で選手動揺

水球女子代表合宿が打ち切りの異常事態…連日炎天下でスパルタ練習や男子監督が批判で選手動揺
スポーツ報知 2018/7/20(金) 5:04配信

 東京五輪を控える水球界が前代未聞の事態に直面した。8月開幕のジャカルタ・アジア大会に出場する水球女子日本代表が横浜市内で行っていた強化合宿が19日、予定の日程を終えずに打ち切ったことが分かった。猛暑の中で連日過酷な練習を行った上、水球男子の日本代表監督である大本洋嗣氏(51)が18日にSNS上で女子代表選手を厳しく批判。選手たちの動揺が大きく、合宿の継続が困難になったという。本番への強化に重要となるア大会を一部選手が辞退する可能性もあり、波紋は広がりそうだ。

 水球女子はアジア大会を控え、16日から横浜市内で強化合宿をスタート。本来ならば21日が最終日の予定だったが、2日間繰り上げ、急きょ19日で打ち切られた。ある関係者は「選手は肉体的な疲労もあり、それ以上に精神的にダメージを受けている」ことが原因とした。

 水連関係者によると、心身を追い込んだ要因の一つが、スパルタ式の練習だった。13人からなる女子代表は今季から就任した本宮万記弘(まきひろ)新監督のもとで、2年後の五輪へ向けて再出発。今回の合宿は早朝5時台から午後9時まで、長時間の4部練習を行っていた。だが、正式なトレーナーも置かず、練習は気温35度を超える炎天下の屋外プール。過酷な環境下で、主力選手の一部には肌に日光によるやけどのような症状を起こして病院に運ばれ、別な選手は過呼吸を訴えるなど、疲弊しきった状況だったという。

 18日にはある大学との練習試合で、接触プレーを巡って、大学側の指導者が代表選手に罵声、暴言を浴びせる事態が起きた。そこに追い打ちをかけるように、男子代表の大本監督が18日深夜に自身のフェイスブックを更新。6月24日の関東学生リーグ女子決勝で、選手たちの水着が5枚も破れた件を取り上げ、「この悪質行為は全て日本代表選手によるもの」「悪意しかないのは明白」と書き込んだ。これを見た選手が「プレーを全否定された」と受け取り、合宿離脱を訴える声が続出。事態を重く見た日本水連の水球委員会側も、合宿打ち切りを決めたとみられる。フェイスブックの文面は既に削除されている。

 開催国枠で五輪初出場を決めた水球女子代表だが、練習環境や内容、また指導陣と選手の不協和音が一気に表面化した形。アジア大会は重要な強化の場となるはずだったが、30日から再び始まる都内での合宿が無事に行われるかは不透明。最悪の場合は、一部の主力が同大会をボイコットする可能性もある。

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アメフトの次は「水球女子」にパワハラ疑惑の大波 監督に体罰の“前科”
デイリー新潮 2018/7/25(水) 16:58配信

 日本大学アメフト部に続いて、「水球」で騒動が勃発した。こちらは「日本代表」だからより深刻である。

 五輪未経験の女子代表は、東京五輪で開催国枠での出場が決まり、近年は2014年アジア大会銀、17年ユニバーシアード銅、と着実に力をつけている。

 問題となったのは7月、横浜で行われた強化合宿。

「記録的猛暑の中、屋外プールで、先発メンバーは交代なしでダミーチームと練習させられました」

 と秀明大学の広報担当者が語る。同大は6選手を代表に送り出し、うち4名が先発メンバーになっている。

「ある選手はやけどのような症状で目が開けられなくなり、病院行き。別の選手は練習後、人生初の過呼吸になりました」(同)

 こんな事態だから、当初21日まで行われる予定だった合宿は、急遽2日繰り上げ19日に打ち切られた。

「別の選手は、コーチの暴言で精神的に追い詰められました。やっていない反則行為を“わざとやった”と執拗に問い詰められ、尋常ならざる恐怖を感じたそう。PTSDになった彼女は現在、専門家のカウンセリングを受けています」(同)

 まさにパワハラである。

 実は、同大は1月の代表合宿でも選手を一人“壊されている”という。

「腰から下が麻痺して救急搬送され、そのまま手術。現在はリハビリ中です。トレーナー不在で練習していたことがわかり、日本水泳連盟は“今後注意する”と弁明していたのですが、今回の合宿もやはりトレーナーは不在でした」(同)

 代表監督を務めるのは、専修大学水泳部水球コーチの本宮万記弘(まきひろ)氏。驚くべきことに女子を指導した経験は皆無だというのだが、

「それ以上に驚くべき前歴がありますよ」

 と水球関係者が囁く。

「本宮氏はかつて前橋商水球部顧問でしたが、当時少なくとも2回、体罰で県教委から停職などの処分を食らっています。そんな“前科持ち”の人物がなぜ代表監督なのか……謎です」

 日本代表は内閣府所管で、もし告発状が提出されれば“伊調問題”と同じ道を辿る。8月にはアジア大会が控えている。何やら大きな波が押し寄せそうな……。

「週刊新潮」2018年8月2日号 掲載

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