川口のいじめ 「聞き取りの連絡ない」母親と市教委食い違い

川口のいじめ 「聞き取りの連絡ない」母親と市教委食い違い
産経新聞 2018/10/17(水) 7:55配信

 川口市立中学3年の男子生徒(14)が入学当初から同級生らにいじめを受け、3回にわたり自殺未遂を図っていた問題で、男子生徒の母親(43)が16日、取材に応じ、いじめ被害をめぐる市教育委員会の対応を批判した。市教委との食い違いが浮き彫りになった。(大楽和範)

 母親によると、男子生徒は平成28年9〜10月に2回、いじめを苦に首つり自殺を図った。その後、不登校となり、29年4月にはマンションから飛び降り、大けがを負った。生徒は現在、車いすの生活を送っている。

 飛び降りがあった同年4月に着任した校長が初めていじめと認定。いじめ防止推進法では、自殺未遂などの事案は「重大事態」として、教育委員会は速やかに第三者委員会を設置しなければならないが、市教委によると、第三者委設置は7カ月後の同年11月だった。

 いじめ事案を担当する市教委の岩田直代指導課長は「第三者委員会を昨年11月に3回実施したが、生徒本人の聞き取りができず中断した」と明かす。これに対し、生徒の母親は「聞き取りをしたいという連絡は、これまで一度も受けていない」といい、両者の主張は真っ向から食い違う。

 第三者委を今年8月に再開したとされることについても市教委は「生徒や母親が、7月になって聞き取りに応じる意思を確認できたから」と指摘するが、生徒の母親の主張は異なる。「9月になって(いじめ事案の担当外である)市教育研究所の人から『いじめの調査が再開された』と聞かされただけ。市教委からの連絡がないのに聞き取りに応じるなんてありえない」

 今月まで報道されなかったことに関しても、岩田課長は「(生徒側から)『大(おお)事(ごと)にしたくない』と強く要望されたため」と非公表の理由を説明。一方、生徒の母親は要望自体を否定した上で「いじめ事案が続出している市教委が大事にしたくなかっただけではないか」と語った。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする