信大准教授 研究費不正 カラ出張などで280万円

信大准教授 研究費不正 カラ出張などで280万円
信濃毎日新聞 2018年10月18日

 信州大(本部・松本市)は18日、同大学術研究院教育学系の鈴木俊太郎准教授(社会心理学、臨床心理学)がカラ出張などの架空請求を繰り返し、研究費280万円余を不正に得ていたと発表した。得た額相当の現金が同准教授の研究室の金庫に保管されていた。同大は准教授が1人で行い、私的流用の事実は確認できなかったとしている。

 鈴木准教授は2009年に信大助教、12年から現職。同大研究推進部研究支援課によると、不正が確認されたのは12〜17年度。実際には行っていない出張に行ったことにしたり、宿泊数を水増ししたりした旅行完了報告書を提出し、計80回にわたり宿泊費や交通費などを得ていた。

 信大の調査によると、不正に得た研究費の一部は研究室のプリンターの修理に使われていた。大学運営資金から50万円余、国の科学研究費助成事業(科研費)から230万円余が支払われており、鈴木准教授は研究費を残すと研究がうまく進んでいないと思われるためだったとし、最終的には今後の研究に使うつもりだった―との趣旨の説明をしているという。

 不正は定例の内部会計監査で発覚した。今月17日に処分審査委員会が発足し、12月をめどに処分を決定する方針。不正に得た研究費は今後、返還するという。

 同大は18日、ホームページで「関係の皆様に大変ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫(わ)び申し上げる」などとするコメントを発表した。

(10月18日)

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