不来方高校男子バレー部員自殺 遺族がスポーツ庁に調査申し入れ
IBC岩手放送 2018/10/19(金) 19:19配信
今年7月、岩手県立不来方高校の男子バレー部員が自殺した問題で、遺族らが19日、東京のスポーツ庁を訪れ、暴力根絶に向けて、調査を行うよう申し入れました。
これは今年7月、県立不来方高校3年でバレーボール部の新谷翼さん17歳が自殺し、遺書に「ミスをしたら一番怒られ、必要ないと言われた」などと書かれていたことから、遺族が「顧問による行き過ぎた指導が自殺の原因」だと訴えているものです。
19日は翼さんの父、聡さんと代理人弁護士が東京のスポーツ庁を訪れ、スポーツ現場における暴力行為対策の実情を、調査するよう申し入れました。
(弁護人)
「私たちはパワハラによる自殺だと考えています。根絶宣言がある中で暴行がまかり通り、県教委や校長が無視しているのはどうなのかと思い今回、調査や指導を依頼しました」
また19日の会見で遺族は、実名での報道を希望しました。
「元気だったころの翼君の様子を知っていただいて、何があったのかを真剣に受け止めてほしかった」
遺族は今後、当時バレー部の顧問だった、男性教諭に対する刑事告訴も検討しているということです。
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<岩手・不来方高バレー部員自殺>父親が暴力根絶を要請 文科省に全国調査求める
河北新報 2018/10/20(土) 16:30配信
岩手県立不来方高(矢巾町)3年のバレーボール部の新谷翼さん=当時(17)=が7月に自殺した問題で、父親の聡さん(51)が19日、文部科学省を訪れ、スポーツ現場での暴力根絶に向けた取り組みについて全国調査を実施するよう要請書を提出した。指導者による暴力を根絶するため、具体的な対応を取ることも求めた。
要請書は柴山昌彦文科相と鈴木大地スポーツ庁長官宛て。新谷さんの遺族は、これまで翼さんを含め氏名を公表していなかったが、要請書の中で明らかにした。
聡さんは、顧問の男性教諭による行き過ぎた指導が原因だと主張している。岩手県教委のこれまでの調査では、顧問から生徒に「おまえはばかか」「脳みそ入っていないのか」といった発言があったと一部の部員が証言。「顧問にきつく言われて、追い詰められている感じはあった」との報告もあった。
聡さんは要請後、記者会見し「息子の遺書も読み上げたので、思いは受け止めてもらえたと思う。再発防止につながることを強く望む」と強調した。文科省児童生徒課の松木秀彰生徒指導室長は「要請を大変重く受け止めている。何ができるか考えていく」とした。