<宝塚中2自殺>第三者委が「いじめを苦に…」と認定
毎日新聞 2018/10/21(日) 10:55配信
2016年12月に自殺した宝塚市立中学2年の女子生徒(当時14歳)について、調査報告書をまとめた第三者委員会の石田真美会長は19日、「いじめを苦にして自殺した」と認識していることを明らかにした。
石田会長によると、委員6人はいじめの事実認定では当初から意見が一致していたが、自殺との因果関係を巡って意見が分かれた。約3カ月議論し、日記でいじめに苦しむ様子が読み取れることなどから、報告書では、認定したいじめ行為について「生命の危険にも結びつく重大なものだ」と表記。改訂時に分かりやすくするため、「いじめ行為以外には特に自死に結びつくような事柄は見当たらなかった」と加筆した。第三者委はいじめによる自殺との認識で一致しているという。
一方、石田会長は「(損害賠償の根拠となる)法律上の相当因果関係ではない」とも述べた。文部科学省のいじめ調査に関するガイドラインは調査について「民事・刑事上の責任追及などを直接の目的とするものではない」と位置づけている。
第三者委はこの日、報告書改訂の経緯について記者会見。遺族から資料提供があったため主体的に報告書を改訂し、家族関係などについて「事実と異なる」と指摘された部分も削除したと説明した。
遺族は抗議声明を出し、「報告書の矛盾を指摘し改訂に至った」と主張している。これについて石田会長は「大変残念。遺族の気持ちへの配慮が足りていなかったか、十分把握できていなかったか、なのだと思う」と述べた。【石川勝義、土居和弘】