<いじめ母子心中>市教委に訴えても「相手が認めないと解決できない」 長女、手紙に「しにたいよ」

<いじめ母子心中>市教委に訴えても「相手が認めないと解決できない」 長女、手紙に「しにたいよ」
河北新報 2019/1/22(火) 10:00配信

 仙台市泉区で昨年11月、寺岡小2年の長女(8)へのいじめを苦に母親が2人で無理心中したとみられる事件で、父親は21日、第三者委員会による速やかな調査を求める要望書を郡和子市長、佐々木洋教育長宛てに提出した。

 要望書は全5項目。第三者委の委員の半数を遺族推薦とすることや、遺族が指定した専門家をそのまま採用することも求めた。

 父親によると、両親は学校に何度も相談したが「対応する」「もう少し待って」と繰り返された。市教委に訴えても「相手が認めないと解決できない」と言われたという。

 父親は「市は市いじめ防止基本方針で、いじめられた側に寄り添うとしながら、対応してくれなかった。学校や市教委にさじを投げられ、(家族は)絶望した」と訴えた。

 要望書を受けた佐々木教育長は「重く受け止めている。対応を検討する」と述べた。要望後の取材に対し、学校対応記録の確認や教職員の聞き取り調査を校内で進めていることを明らかにし「事実関係の把握に努める」と強調した。

 父親によると、長女は小学1年だった昨年3月ごろから同級生2人に無視されるといったいじめを受けた。学校などの対応が不十分だったため、母親と長女は体調を崩し、精神的に追い詰められたという。長女は昨年8月「しにたいよ」などと手紙に書いていた。

 寺岡小では21日、通常通り授業があった。児童の様子や保護者からの問い合わせの有無について、教頭は「答えられない」と回答を避けた。

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