大津いじめ訴訟あす判決 提訴から7年「自殺の因果関係認めてほしい」父親の胸の内
MBSニュース 2019/2/18(月) 19:11配信
中学2年の男子生徒が自殺したのは、いじめが原因だとして、遺族が元同級生らに損害賠償を求めていた裁判の判決が19日に言い渡されます。提訴から7年。生徒の父親はMBSの取材に対して「いじめと自殺の因果関係を認めてほしい」と訴えました。
息子はなぜ自殺しなくてはならなかったのか。その真相を知るために裁判を起こして7年。判決を19日に控え期待と不安が交錯します。
「ほとんどの例が訴訟に負けている。原告、生徒側が負けている例が多かった」(自殺した男子生徒の父親)
大津市の当時中学2年の男子生徒は2011年10月、登校前に自宅マンションから飛び降り、亡くなりました。その後、同級生らに対して行ったアンケートには数々のいじめ行為が記載されていました。学校や市教委は「いじめがあった」と認める一方、「自殺との因果関係はわからない」として、わずか1か月で調査を打ちきります。釈然としない説明に業を煮やし、男子生徒の父親らは7年前、大津市といじめをしたとされる元同級生3人とその保護者らを相手取って損害賠償を求めて提訴しました。
「これ以上(話し合っても)無理なのかなと。裁判をすれば新しい事実が出てくると思ってました」(自殺した男子生徒の父親)
裁判で大津市は、いじめと自殺の因果関係を認めて遺族側と和解する意向を示し、市が立ち上げた第三者委員会も「いじめが自殺の直接的要因」との結論を下しました。しかし、暴行などの疑いで書類送検され保護観察処分などとなった元同級生側は、徹底して争います。法廷に立つと「嫌がっていると思ったことはない」「エンターテインメントを求めていた」と述べ、いじめの認識がないことがわかりました。
「(息子は)すごく苦しんでいる顔をしていた。その顔を見てたにもかかわらず、それをいまだに遊びだったとしか表現できない彼らを見て…がっかりしたというか残念でした」(男子生徒の父親)
大津のいじめ問題をきっかけに2013年、「いじめ防止対策推進法」が制定されました。教育現場への情報開示や第三者委員会による調査が進められ、父親も全国の遺族らのもとに出向きアドバイスを送っていますが、いじめ問題は後を絶ちません。
「私自身、問題が発生した地域に行って見ている限り、いじめ防止対策推進法ができたことで、子どもたちが守られているという実感はなかったです。いまのいじめ防止対策推進法では教師の人たちの意識を変えるには至らない法律なんだなと、つくづく感じた」(自殺した男子生徒の父親)
法律ができても思うような改善が見られない中、父親は「判決では大津の問題に限らず、いじめという行為が自殺を招くということを認めてほしい」と強く願っています。
「たしかに明日の判決は息子の裁判の判決なんですけど、私自身そう思ってなくて、今は過去に亡くなった方、今も裁判をされて苦しんでおられるご遺族に、少しでも役立つ判決が出ればと思ってますし、そうなってほしいと願っている」(自殺した男子生徒の父親)