養護学校暴行、教諭に罰金30万円判決 名古屋地裁
毎日新聞 2019/3/14(木) 19:00配信
名古屋市立天白養護学校(同市天白区)の高等部3年生だった男性(19)に暴力を振るったとして、暴行罪に問われた同校教諭、稲垣達雄被告(60)=懲戒停職中=に対し、名古屋地裁は14日、求刑通り罰金30万円の判決を言い渡した。近藤和久裁判官は「一方的な暴力で執拗(しつよう)、悪質だが、事実を認め反省している」と述べた。
同日に初公判が開かれて稲垣被告は起訴内容を認め、即日結審して判決まで言い渡された。名古屋区検は昨年12月に略式起訴したものの、名古屋簡裁は略式不相当として正式裁判での審理を決めた。
初公判の被告人質問で、稲垣被告は「生活態度を注意しようとしたが、あまり聞いていないと思い、もっと注意しようと思った。行きすぎた行為だった」と説明した。近藤裁判官に「男性側の問題ではなく、あなたのコミュニケーション不足だと思う」と問われ、しばらく黙った後、小さく「はい」と答えた。
判決によると、稲垣被告は2017年11月16日、校庭で男性の足を蹴ったり踏みつけたりした。名古屋市教育委員会は昨年12月、稲垣被告を停職109日(定年の今月末まで)の懲戒処分とした。
男性の両親は判決後に記者会見して「反省しているのか疑問だった。市教委は、同じことが繰り返されないように教師の指導をしてほしい」と話した。【野村阿悠子】