市原市が条例の制定へ 「チバニアン」命名に向け学術研究の機会確保を
チバテレ 2019/6/25(火) 11:15配信
「チバニアン」命名に向けて動きがありました。市原市は「チバニアン」命名の根拠となる地磁気逆転地層の保存や活用に向けた取り組みを強化するため、学術的な調査研究のためのサンプル採取を土地所有者が妨げてはならないなどとした条例の制定に乗り出しました。
市原市 小出譲治市長
「(地磁気逆転)地層については希少な場所であることから国際的にも調査研究の要請が高まっており、研究のために行う試料採取の環境を早急に整える必要がある」
「一方、関係者の所有権・財産権を尊重しなければならない。条例原案ではこれらに配慮し適正な審査を経た試料採取を目的とする場合の当該地の立ち入りを認めるものとなる」
市原市の小出譲治市長は24日、臨時の記者会見を開き、市原市田淵にある地磁気逆転地層でのサンプル採取を学術的な調査研究に限って認めるとともに、土地の所有者がこれを正当な理由なく妨げてはならないなどとした条例案を発表しました。条例案ではサンプル採取のための立ち入りを妨害した場合は5万円以下の過料を課すとした罰則も設けられています。こうした条例案は市原市独自の取り組みだとする小出市長は「調査研究の機会を確保することが最大の目的」と述べ、条例案の意義を強調しました。
市原市の地磁気逆転地層をめぐっては、地層を根拠に地球の歴史の一時代を千葉時代の「チバニアン」と命名する取組みが進む一方、これに反対するグループが地層一帯に土地賃借権を設定し、公用地化を阻止する構えを見せています。反対派グループの動きについて小出市長は「対抗措置ではない」とした上で、「天然記念物の保護や調査研究の環境を整える市原市としての条例制定」だと強調しました。
ただ、国際学会による審査は中断しており、ことし9月までに審査の手続きに入らないと計画が白紙に戻る可能性があります。市は膠着状況の打開策の1つとして条例案の制定が有効と考えていて、今後パブリックコメントの手続を経て、ことし9月の市議会で条例案可決を目指す方針です。