熊本地震に関する論文でデータ改ざんや盗用など不正 京大教授を懲戒処分
京都新聞 2019/7/23(火) 18:10配信
京都大は23日、2016年の熊本地震に関する論文でデータの改ざんや盗用など不正があったとして、論文の責任著者だった理学研究科の林愛明教授(60)を24日から停職1年の懲戒処分とした、と発表した。林教授は「不適切な図であったことは認めるが、不注意であり、故意ではない」と話しているという。
論文は地震による断層破壊が阿蘇山の地下にあるマグマだまりで妨げられたなどとする内容だったが、論文の結論を導くのに重要な図六つのうち四つで、計10カ所の改ざんや盗用があった。別の研究者が作った断層の動きの図を反転させて使ったり、他の研究機関の発表データを出典を記さずに引用したりしていた。
京大は17年8月、不正を疑う通報を受けて調査を開始し、今年3月に結果を公表。論文は16年に米科学誌「サイエンス」に掲載されたが、同誌は今年5月、論文を撤回したと発表した。