障害者雇用率三たび修正 確認ずさん、不足拡大 千葉県教育長が謝罪

障害者雇用率三たび修正 確認ずさん、不足拡大 千葉県教育長が謝罪
千葉日報オンライン 2019/7/27(土) 10:41配信

 昨年夏に発覚した「障害者雇用水増し問題」を巡り、千葉県教委は26日、2018、17年度の障害のある人の雇用率を下方修正した。修正は昨年8、10月に続き3度目。分母となる職員数を過少に算定していた。18年度の法定雇用率達成への不足は190人分から277人分に拡大。沢川和宏教育長は確認体制のずさんさを認め「県民の信頼を大きく揺るがした」と謝罪した。19年度(今年6月1日時点)の不足も依然235人分に上る。

 今回の修正で、県教委の障害者雇用率は18年度、1・35%に低下した。19年度も1・51%にとどまる。法定雇用率は2・4%。26日に千葉労働局へ報告した。

 昨夏は、障害者手帳を確認しなかったり、本人に無断で算入するなどして、雇用率の分子に当たる雇用数を実際より大きく計上していたことが発覚。今回、分母の職員数を小さく計上していたことも判明した。

 県教委によると、小学校・特別支援学校の校長や教頭、養護教諭らは一定の割合で除外するが、この対象でない事務職員や栄養職員らも除外していた。08年度の算定時、当時の担当職員が表計算ソフトの設定を誤ったことが原因。以降、同じ設定のままだったため、法定率達成としてきた12〜16年度も「達成できていなかった可能性が極めて高い」(沢川教育長)という。

 19年度の労働局への報告を控えて最終チェック中だった今月11日に判明。非常勤嘱託職員などを勝手に非算入とする別の「ミス」(県教委)も見つかった。

 度重なる失態を重くみて、18年度の決裁権者だった教育総務課長=当時=の男性(59)を戒告の懲戒処分とし、他の関係3職員も文書訓告。特別職のため処分されない沢川教育長にも、県教育委員会の「委員一同」名義で、異例の厳重注意意見書が突き付けられた。

 記者会見した沢川教育長は「作業担当者のスキル不足と、(自身を含む)幹部職員のチェック不足に尽きる」と説明した。不祥事会見への教育長出席も異例。

 県教委は20年末までに法定率を達成する計画を示しているが、三たびの修正を踏まえ、雇用人数や採用手法を再検討するという。

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