小中の組み体操、今秋は中止せず 神戸市、安全策を強化
神戸新聞NEXT 2019/8/8(木) 20:35配信
神戸市教育委員会は8日、市立小中学校の今秋の体育行事について、組み体操を実施する場合は、より安全対策の強化に努めるよう全校に通知した。事故多発が社会問題化し、久元喜造市長は2日、危険な場合の実施見合わせを市教委に強く要請。対応が注目されたが「既に練習を始めたり、パンフレットを印刷したりしている学校もある」と、全面中止にはしなかった。
通知は、安全と判断する場合に限り実施するよう指示。市教委に提出する計画書には、安全確保策や、今春から義務付けた指導者の事前研修の受講歴などを加えるよう求めている。
組み体操を巡ってはスポーツ庁が16年、教育効果と危険性のバランスを各校で判断するよう都道府県教委に通知。これを受けて同市教委はガイドラインを策定し、人が積み重なる「ピラミッド」や「タワー」の段数を制限した。
しかし、2018年度には当日や練習中に81件の事故が起き、うち30件は骨折者が出た。今春も59校で15件の事故が発生。今秋は4月時点の確認で、81小学校と31中学校が競技を予定していたという。
来春以降は、今秋の事故発生状況などを踏まえて判断する。(上杉順子)