神戸教員いじめは氷山の一角…常態化する公立学校“パワハラ問題”の深刻

神戸教員いじめは氷山の一角…常態化する公立学校“パワハラ問題”の深刻
日刊ゲンダイDIGITAL 2019/10/11(金) 9:26配信

【話題の焦点】

「学校って閉鎖的な空間ですし、教員同士のいじめなんて日常茶飯事ですよ」と明かすのは、都内の公立中に勤める30代の女性教師だ。

 神戸市立小の“激辛カレーいじめ問題”が世間を騒がせている。

「アホ、ボケ、カス、クズ、このハゲが!」

 40代の女性教師と30代の男性教師3人の計4人が、20代の後輩教師Aさんを罵倒するなど、昨年4月ごろからいじめがエスカレート。さらに4人でグルになってAさんを羽交い締め、無理やり激辛カレーを口に押し込んで、目にこすりつけたりしたというから、もはや“犯罪者集団”だ。 

 Aさんは情緒不安定になり、今年9月以降、学校を休んで療養に当たっているという。 

 文科省の公立学校教職員の人事行政状況調査によると、全国の小中高など教職員92万人のうち、うつ病など精神疾患による病気休職者は、2017年度で5077人。

「例年5000人前後で推移しています。理由はさまざま。もちろんAさんのような職場のいじめやパワハラ、セクハラが原因というケースも少なくありませんが、学校ぐるみで隠蔽しようとするので、今回のように表沙汰にはなりにくいんです」(文科省関係者)

 前出の30代の女性教師も、こう口を揃える。

「どの学校にも必ず教頭や主任など、実権を握る上長がいて、その人には逆らえない構図が出来上がっています。ウチの場合は学年主任で、報告が遅れるだけで罵声を浴びせられる。機嫌を損ねたら、事あるごとに会議で吊るし上げられます。以前、教え方が上手で生徒に人気があった若くて優秀な先生が、その学年主任の嫉妬のせいで『生徒のウケばかり狙っている』なんていじめに遭い、『もう教師は嫌だ』と辞めてしまいました……」

 都内の私立中に勤める30代の男性教師は「パワハラもセクハラも私立ならクビですが、公立は処分が甘いのでエスカレートしがちなんです」とこう明かす。

「教員ひと筋の先生は、教員の常識は世間の非常識ということが分からない。視察や参観日以外は服装もバラバラだし、会社勤めの経験がある若い先生が正論を振りかざしたりするんですが、出る杭は打たれる。そもそもモンペ(モンスターペアレント)など保護者からのプレッシャーで、校長や教頭は常にピリピリ。校長以外に陰の実力者がいる学校もありますし、年功序列も意外と根強くあったりして、上のストレスが、常勤、非常勤と増幅しながら下へ下へと向かう。激辛カレーいじめ問題は文字通り、氷山の一角ですよ」

 これでは、子どものいじめ問題を解決できるわけもない。

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