いじめ30件認定 岐阜市中3死亡
岐阜新聞Web 2019/11/2(土) 7:44配信
岐阜市立中学校3年の男子生徒(14)がマンションから転落死し自宅からいじめを示唆するメモが見つかった問題で、第三者組織の市教育委員会いじめ問題対策委員会は1日、生徒への聞き取り調査などを検証し、男子生徒へのいじめ行為が約30件あったと認定した。7月3日に転落死するまでの約1カ月間にいじめが集中していたことも明らかになった。今後、転落死といじめの因果関係などを検証する。
第三者委は、全生徒に実施したアンケートでいじめを見聞きしたとみられる89人のうち、協力を得られた生徒53人と教職員らに聞き取り調査を実施。
生徒への聞き取りで寄せられた男子生徒への金銭の要求のほか、給食で嫌いな食べ物を押しつけられたり、たたかれたりしたことを直接見た生徒がいるとしていじめと認定した。一方、トイレで土下座させられたことは見た生徒がいなかった。
また、5月31日に同級生の女子生徒から、給食で嫌いな食べ物を押しつけられたなどの男子生徒へのいじめを訴えたメモを受け取った担任教諭は、当初はいじめと認識したものの、押しつけるなどした2人の生徒の指導や亡くなった生徒との面談などで、「いじめではない」と判断。その旨を男性学年主任に報告したことも判明した。当初は副主任がメモを確認していたが、学年主任にも情報が伝えられていた。だが、校長ら管理職とは共有されなかった。
さらに第三者委は、生徒のふざけ合いを見た教員はいたものの、明らかないじめを見た教員はいなかったとした。その上で橋本治委員長は「教員が(いじめに)気付けなかったことが、(事態が)重くなってしまった理由の一つ」と指摘した。