仁憲高校、政治教師暴露した生徒に社会奉仕措置…保護者にも特別教育

仁憲高校、政治教師暴露した生徒に社会奉仕措置…保護者にも特別教育
朝鮮日報日本語版 2019/12/17(火) 9:20配信

 ソウル・仁憲高校が教師の政治偏向教育を初めて公の場で問題提起した生徒はもちろん、その保護者に対してまで懲戒処分を下していたことが分かった。情報提供動画に登場した生徒たちの名誉を毀損したという理由だったが、その動画で生徒たちの顔にはモザイク処理が施されていた。

 仁憲高校の生徒たちが16日に明らかにしたところによると、同校では先日、3年生チェ・インホ君(18)に対する学校暴力対策自治委員会(学暴委)を開き、15時間の社会奉仕措置を下した。また、同校側はチェ・インホ君とその保護者に5時間ずつ、いわゆる「学校暴力相談センター特別教育」を受けるよう指示したという。

 今回の学暴委は、チェ・インホ君が今年10月に政治偏向教育の証拠としてインターネット上に掲載した校内行事の動画に写っていた生徒2人がチェ君のことを申告したことから、今月10日に開かれた。動画には同校の校内マラソン時に教師たちの要求で反日スローガンを叫ぶ生徒たちの様子が写っていた。チェ・インホ君は動画に写っている教師・生徒全員の顔をモザイク処理した上で、フェイスブックやユーチューブにアップロードし、本格的に問題提起を開始した。チェ・インホ君はその後、生徒2人の名誉毀損申告について「顔を認識することができないのになぜ名誉毀損なのか」と反発していた。

 この日の学暴委は同校の教務部長、保護者3人、警察官1人など計8人が出席する中で行われ、結果は13日に当事者に通知された。学暴委はチェ・インホ君に対し、情報提供動画に登場した女子生徒たちに書面で謝罪することも指示している。

 同校の学暴委はチェ・インホ君に懲戒処分を下した理由について、「チェ・インホ君は該当動画や写真を通じて不特定多数に対し公開されることを嫌う個人の意思を十分に尊重しなかった。動画公開を拒否する意向を明らかにしていた個人の要請を拒否し、個人の権利を侵害しただけでなく、精神的被害を招いた」と主張した。

 チェ・インホ君は本紙の電話取材に、「生徒の僕が学校の政治偏向問題について勇気を出して公益情報提供したのに、大人である学校関係者の方々は逆に僕に対して学校暴力の加害者という烙印(らくいん)を押し、保護者の責任まで問うたため、ひどく傷付いた。生徒たちに政治的理念を強要した教師たちを学校暴力問題として学校側に申告したのに、(教師たちを)処罰しないために事前に僕を加害者に仕立てたのではないだろうか」と語った。

 学暴委に先立ち、チェ・インホ君側の弁護人であるチャン・ダルヨン弁護士とチェ・インホ君の保護者は「(チェ・インホ君に対する)学暴委申告事案は不適切だ」という内容の意見書を学校に提出したが、受け入れられなかった。チャン・ダルヨン弁護士は「学校側は、チェ・インホ君の後輩である1−2年生が学校の政治偏向教育に対して問題提起しないように無理な処罰をしたものと見られる」と話す。

 チェ・インホ君と保護者は学暴委決定に反発、行政訴訟を出すと同時に学暴委の委員を相手取り、損害賠償訴訟も起こす考えだ。チェ・インホ君を支持する生徒たちは、学校の処分について「公益情報提供に対する『口封じ式』処罰と弾圧だ」として18日午後、同校正門前で関連記者会見を行う予定だ。本紙はこれについて、学校側の見解を聞くため校長と教頭に電話したが、誰も電話に出なかった。

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