千葉ロリコン教師に懲役14年判決「『味の検査』と称して、目隠しをしてわいせつな行為をした」

千葉ロリコン教師に懲役14年判決「『味の検査』と称して、目隠しをしてわいせつな行為をした」
文春オンライン 2019/12/23(月) 21:00配信

 千葉県千葉市で約5年半にもわたって明るみに出なかった小学生7人が被害に遭った、小学校教諭によるわいせつ事件。強制性交罪、児童ポルノ禁止法違反罪などで起訴された元教員・X被告(36)に対する裁判が12月23日、千葉地裁で開かれ、懲役14年(求刑15年)の実刑判決が言い渡された。

 黒のスーツに白いシャツ姿で入廷したX被告は、開廷前から落ちついた表情で判決を待っていた。検察官側には、被害者の家族などの関係者やその弁護士らが同席したが、衝立で大きく遮蔽され、傍聴席からその姿を伺うことはできない。

約5年半、女子児童7人にわいせつな行為を繰り返した

 判決の言い渡しを前に、検察側から起訴状の表現を変更する訴因変更が行われた。前田巌裁判長に「付け加えることはないか」と問われると、「改めて謝罪したいと思います」と述べ、被害者の関係者らに深く一礼した。

「主文。被告人を懲役14年に処する」

 裁判長が判決文を読み上げると、証言台に立ったX被告は小さく「はい」と返事をした。「長くなりますので」と促されて被告人席に戻り、座って残りの判決を聞いた。

 判決によると、八木被告は2013年1月から18年7月までの約5年半、勤務していた2つの千葉市立の小学校の教室や倉庫で、当時6〜12歳の担任していた女子児童7人に対し、児童の陰部を触ったり、X被告の局部を咥えさせたりするなどのわいせつな行為に計15回及んだ。

自宅から押収したハードディスクなどから他にも複数の被害者が

 さらに、そのうち5人ついては、わいせつな行為をカメラで撮影し、児童ポルノ禁止法違反罪にも問われた。18年7月、被害児童の1人が学校で被害に遭い、その日のうちに母親に被害を訴え、犯行が発覚。千葉県警がX被告の自宅から押収した外付けハードディスクなどから他にも複数の被害者がいることがわかった。

 裁判は、昨年10月に始まり、約1年間にわたり審理が行われ、X被告の犯行の詳細が次々に明らかになっていった。今年10月31日にあった前回の公判では、被害者の1人が出廷し、「一生、刑務所の中で暮らしてください」と述べていた。

 判決文はX被告の犯行をこう総括した。

「6歳から12歳の被害児童らに対して、教諭である被告人への畏怖あるいは信頼を利用した」

「性欲のおもむくまま、卑劣かつ醜悪極まりない」

 忘れ物を繰り返した児童を「指導」を名目に呼び出したり、「味の検査」と称して目隠しをしてわいせつな行為をしたりした。また、「傷の状態を確認する」といって、衣服を脱がせたこともあった。その上で「性欲のおもむくまま、児童の陰部を手指で触ったり、口淫したりするなどの極めて強度なわいせつな行為を行い、卑劣かつ醜悪極まりない」と述べた。X被告が撮影した動画についても「流出した可能性もあり、悪質で軽視できない」とした。

「就業中、堂々と、しかも担任という絶対的立場を悪用」

 また「就業中、堂々と、しかも担任という絶対的立場を悪用し、長期間にわたって反復して犯行を行った。その大胆さと常習性は目に余る」とも糾弾した。

 裁判では、X被告はおおむね犯行を認めていたが、1人の被害者に対して行った犯行については、証拠となる映像が不鮮明な部分や、映像がない部分については否認した。被害者本人が出廷して、犯行について証言し、食い違う場面もあった。判決では、被害者の証言が全面的に信用できると判断。その上で、「被告人は、客観的に裏付けられている犯行のみを認め、その余は責任を回避しようとする姿勢が見られる」と指摘した。

 言い渡しの間、X被告は席で手を膝に置き、判決を読み上げる裁判長をじっと見ながら聞いていた。判決の宣告が終わると、裁判長が「閉廷します」と述べた。X被告は被告人席に座ったまま、被害者の関係者に向かって一礼。刑務官に連れられ、法廷を後にした。

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