いじめ調査、市民に報告 岐阜市中3自殺
岐阜新聞Web 2020/1/12(日) 7:59配信
岐阜市の学校教育を教職員や保護者、市民らが一堂に会して考える公表会が11日、同市橋本町のじゅうろくプラザで行われた。同市の市立中学校3年の男子生徒(14)がいじめを苦に自殺したとみられる問題の調査を行ってきた、第三者組織の市教育委員会いじめ問題対策委員会が、市民向けに調査報告書を説明。柴橋正直岐阜市長や第三者委の橋本治委員長らが、いじめ問題などについて意見を交わした。
市教委が主催し、17回目。例年は市の教育施策を発表しているが、今回は市民にいじめの調査結果を報告する場とし、約600人が参加した。
橋本委員長は、調査の経過や認定したいじめ、再発防止に向けた提言など、昨年12月に市教委に答申した報告書の内容を説明した。
続いて、第三者委が報告書で指摘した、いじめが自殺の主要因だったことと、学校の対応が不十分でいじめの激化を止めることができなかったことの2点をテーマに、シンポジウムが行われた。柴橋市長や橋本委員長、大河内祥晴副委員長、堀江弘美市PTA連合会長、横山正樹市教育委員の5人が意見を交わした。
冒頭、早川三根夫教育長が登壇。今回の問題を謝罪した上で、「子どもたちの現状を直視し理解した上で、できることから手を付けたい」と再発防止に取り組む決意を示した。早川教育長は当初、シンポジウムの司会を務める予定だったが交代した。
柴橋市長は「生命の尊厳を理解し、仲間同士で助け合う大切さを学び、行動を起こす大人に成長してもらうことが教育現場では重要」と強調。教員のいじめへの適切な対応、若手教員への指導力などが問われる中、「(教員の)管理職への登用基準を検討し直し、課題に向き合う能力を身に付けている人が管理職に就くべき」とも述べた。横山委員は学校の対応に触れ、「情報共有と組織的な連携が課題で、検証してほしい」と求めた。
参加した岐阜市の加納中学校2年生(14)は「いじめを受けている人に一番寄り添えるのは僕たち。傍観者にならず、いじめをおかしいと思えることが大切」と話した。