15年前の暴行、いじめ認定せず 第三者委で判断検証へ 神戸市教委
神戸新聞NEXT 2020/2/10(月) 23:11配信
神戸市教育委員会は10日、2005〜06年に市立小学校で男子児童が同級生から暴力を受け、現金を取られるなどした問題で、一貫して「いじめ」と認めてこなかった判断について検証するため、第三者委員会を設置する方向で被害者側と協議していることを明らかにした。被害者側が市議会で陳情を続け、16回目の訴えとなった昨年11月に採択されていた。
被害者側、市教委の双方が会見した。被害男性は現在25歳で、当時は小学5年生。父親(56)によると、同級生7人に脅し取られた現金は約50万円に上る。07年にはいじめを認めなかった加害側3人に損害賠償を求める訴訟を起こし、神戸地裁判決でも大阪高裁判決でもいじめが認定された。
一方、市教委によると、学校側からは問題発覚後の06年に報告があった。ただ、一審では「保護者の要望で被害男性から事実確認ができず、調査が尽くされなかった」とし、「必ずしもいじめと断定できない」とする回答書を提出。判決確定後も「いじめの可能性は高い」としつつ、明確な判断は出していない。
会見で父親は「市教委がいじめ行為を隠蔽(いんぺい)している」と主張し、判断に関わった当時の市教委幹部や校長らへの聴取を要望した。市教委は「被害を隠したり指導を怠ったりしたことは一切ないが、話し合う努力が足りなかった」と説明。両者で第三者委の人選方法や運営について調整を続けているという。(井上 駿、佐藤健介)