学生らの同意得ず採血 元特任教授ら2人処分 山形大工学部
毎日新聞 2020/3/16(月) 22:13配信
2012〜15年に山形大工学部(山形県米沢市)の50代の男性元特任教授が十分な説明に基づく同意を取らずに研究目的で学生らから採血したとして同大は16日、元特任教授は停職3カ月の懲戒処分に相当すると発表した。処分は10日付。元特任教授は昨年3月に退職し、別の大学に勤務しているという。また、11日付で、工学部長を務める60代の男性教授をけん責の懲戒処分とした。久保田功副学長は「関係者に深くおわび申し上げる。事案を厳粛に受け止め、対応していく」と陳謝した。
同大によると、研究は11年5月〜15年3月、人工血管など医療器具の開発を目的に実施。研究に必要な採血は12年3月から学生ら計27人を対象に行われたが、その際、文書による同意を得ず、15年2月以降、過去にさかのぼって同意書を集めていたことが明らかになった。現時点で学生らの健康に問題はないという。
元特任教授は15年にも同意書を得ずに採血を行ったとして、工学部長から口頭による厳重注意処分を受けていた。【日高七海】