女子小学生バレー監督永久追放 大分県連盟 「声が小さい」と小6女児たたく
毎日新聞 2020/5/16(土) 23:51配信
大分県日出町の女子小学生バレーボールチームの50代男性監督が、複数のメンバーに体罰をしていた問題で、県小学生バレーボール連盟(県小連)は16日、監督を永久追放処分にすることを決めた。また体罰の隠蔽(いんぺい)があったとして、チームに解散を勧告することも決めた。
県小連が同日の倫理委員会で決めた。監督は同町の小学校教頭も務めており、町教委は3月、暴力行為があったとして監督を文書訓告とする処分を決定。この日の倫理委も、監督の行為が、県小連が設ける罰則規定「行政責任をとるような体罰・暴力行為」に当たるとし、処分としては最も重い永久追放が妥当と結論付けた。処分が確定すれば、監督は上部組織の日本小学生バレーボール連盟(日小連)加盟のチームで指導できなくなる。
また県小連は、体罰がなかったように監督と保護者が口裏を合わせる隠蔽をしたことも問題視。日小連の規定に基づき「チーム解散」にすべきだと判断し、解散を勧告することも決めた。
関係者によると監督は2019年6月、練習中に「声が小さい」などの理由で、小学6年の女児ら3人を夜のグラウンドで10周走らせた後、平手で女児の頭をたたいた。【河慧琳】
関係者によると、誓約書への署名が求められたのは、連盟に被害が訴えられた後の7月16日。保護者会は町内の公民館で開かれ、チームに所属する女児の保護者や、OGの保護者ら約40人が集まった。
保護者会では、連盟に報告したのが誰か追及された後、男性保護者が▽指導者の批判はしない▽チーム内で起きたことを公言しない▽指導者、保護者らの行為について関係協会や団体に訴えない――などを約束する誓約書を配り、集まった保護者全員に署名を迫ったという。
関係者によると、誓約書の存在は監督には伝えずに、一部の保護者が独自に作成。誓約が守られていないと、保護者会の半数以上が判断した場合は、子供を退部させることを受け入れ、異議を述べないなどとしたという。
また保護者会では、情報を漏らしたと疑われた親が正座させられ、リーダー格の保護者に詰問されたという。保護者会は午後6時半に始まり、4時間に及んだ。ある保護者は「チーム内での監督の権力は強く、その力を背景にして、子供のことを第一に考えない親たちの姿勢に憤りを覚えた」と話す。
誓約書を作った保護者は、毎日新聞の取材に「体罰についてチーム内で話し合っていないのに外に言うなんておかしいと思った。体罰と指導の違いは考えたことがない」と話した。