「大川小の慰霊碑を破壊する」 児童遺族への脅迫罪で起訴の男 文書送り石巻市の業務を妨害した疑いで再逮捕

「大川小の慰霊碑を破壊する」 児童遺族への脅迫罪で起訴の男 文書送り石巻市の業務を妨害した疑いで再逮捕
仙台放送 2020/6/29(月) 17:08配信

東日本大震災で犠牲となった石巻市の大川小学校の児童遺族を脅迫した罪で起訴された男が、石巻市に「慰霊碑を破壊する」などと書いた文書を送り業務を妨害した疑いで6月29日、再逮捕されました。

再逮捕されたのは、高知県香南市に住む小学校の非常勤講師・近森公和容疑者(42)です。
警察によりますと、近森容疑者は今年2月22日ごろ石巻市役所に「大川小の慰霊碑を車突っ込ませて破壊します」などと書いた文書を郵送し、業務を妨害した疑いがもたれています。

調べに対し近森容疑者は「間違いない」と容疑を認めているということです。大川小では教員も津波で亡くなっていて、近森容疑者は「教員遺族に非難が向けられている」と話し遺族対応への不満を口にしているということです。

東日本大震災で犠牲になった石巻市立大川小学校の児童の遺族3人に対し、文書で「殺害する」などと脅迫したとして逮捕された高知県の小学校講師の男が26日、脅迫の罪で起訴されました。
起訴されたのは、高知県香南市に住む小学校の非常勤講師・近森公和被告(42)です。
起訴状などによりますと、近森被告は2020年1月、東日本大震災で犠牲になった石巻市立大川小学校の児童の遺族3人に対し「刃物で刺し殺すか、拉致して仙台港に投げ落とす」などと書いた文書で脅迫したとされています。
仙台地検は近森被告の認否を明らかにしていませんが、警察の調べに対し近森被告は「間違いない」と容疑を認めていました。
仙台地検などによりますと、文書は高知県香南市内の郵便ポストに投函され宮城県内の複数の報道機関に送られていました。

 東日本大震災の津波で犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校の児童の遺族3人に文書で殺害を予告したとして、宮城県警は5日、高知県香南市野市町の小学校臨時講師、近森公和容疑者(42)を脅迫の疑いで逮捕し、発表した。「やったことは間違いない」と容疑を認めているという。
 事件は大阪府警、高知県警との共同捜査。捜査関係者によると、2001年に児童8人が殺害された大阪教育大付属池田小(大阪府池田市)にも、遺族らの殺害を予告する文書が届いた。大川小のものと差出人名が同じだったといい、府警が関連を捜査している。
 宮城県警によると、逮捕容疑は今年1月22〜23日、犠牲となった大川小の3人の児童の遺族3人に対し、文書で「殺害する」などと脅したというもの。文書は1月中旬ごろ、報道機関に届いた。消印は高知県内の郵便局で、差出人名は偽名だったという。報道機関から相談を受けた宮城県警が遺族に内容を伝え、自宅周辺などを警備していたという。被害者との接点は今のところ確認できていない。
 捜査関係者によると、付属池田小には昨年9月以降、10通以上の文書が届いた。高知県内の郵便局の消印があったという。
 高知県教育委員会によると、近森容疑者は今年4月から、同県南国市内の小学校で特別支援学級の担任を務めていたという。小学校での勤務態度に問題はなかったという。南国市教育委員会の担当者は「皆様に大変ご迷惑をかけ申し訳ない」と話している。

 東日本大震災で犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校の児童の遺族に殺害を予告したとして、宮城県警は5日、高知県香南市の小学校教員、近森公和容疑者(42)を脅迫容疑で逮捕した。容疑を認めている。
 逮捕容疑は1月22〜23日、遺族3人を「殺害する」などとする文書を報道機関に郵送して脅迫したとしている。消印は高知県内で差出人は偽名だった。
 捜査関係者によると、文書には同小を巡る訴訟の判決に不満を示す記載があり、「教員は悪くない」などと書かれていた。県警は遺族に文書を示し、自宅や勤務先を警備していた。
 石巻市教育委員会によると、同様の脅迫文は2月下旬に市教委にも届いていた。遺族への殺害予告のほか、同小の慰霊碑を「ダンプで突っ込んで壊す」という趣旨の記述があり、県警は近森容疑者が投函(とうかん)した疑いがあるとみて調べる。また、2001年に大阪教育大付属池田小で起きた児童殺傷事件の遺族を批判する文書を送った疑いもあり、確認を急いでいる。
 近森容疑者は昨年4〜9月に高知県内の小学校で臨時講師を務め、いったん退職した後、今年4月から別の小学校で勤務していた。
 児童ら84人が犠牲となった大川小を巡る訴訟は19年10月に最高裁が上告を棄却し、事前防災の不備による学校と教育委員会の責任を認め、市と県に約14億円の賠償を命じた2審判決が確定している。【藤田花、百武信幸】

 ◇遺族「教員と聞きショック。怒りというより悲しい」
 脅迫文で殺害予告された遺族の男性は5日、毎日新聞の取材に「逮捕されほっとしたが現職教員と聞いてショックだ。怒りというより悲しい」と話した。また、別の遺族の男性も「家族に危害が及ぶのではと心配だった。子どもの見本にならないといけない人がやってはいけないことをした。しっかり責任を取ってほしい」と語った。
 大川小を巡っては、児童23人の19遺族が2014年3月、宮城県と石巻市を相手取り仙台地裁に提訴。その直後からインターネット上では「金目当て」などと原告遺族をやゆする書き込みが続いた。1審で遺族側勝訴の判決が出た後、原告遺族が地裁前で「学校・先生を断罪」と書いた紙を掲げると、「亡くなった先生を責めるのか」との批判も起きた。学校側の組織的過失が認められた後も中傷は続き、心労が重なって体調を崩す人も出ていた。
 石巻市教委によると、近森容疑者は市教委に送りつけた脅迫文で、亡くなった教員を「命をかけて守った」とたたえつつ、「断罪」と掲げた原告遺族らを「人にあらず、殺しても無罪」などと批判していたという。【百武信幸】

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