県立高元生徒と和解へ 県教委、いじめ対応めぐり 三重

県立高元生徒と和解へ 県教委、いじめ対応めぐり 三重
伊勢新聞 2020/9/16(水) 11:00配信

 同級生から受けたいじめに適切な対応をしなかったとして、三重県立高校の生徒だった女性が県に慰謝料など約180万円の損害賠償を求めた訴訟をめぐり、木平芳定教育長は15日の定例記者会見で、津地裁の勧告を受け入れ、女性側と和解する考えを示した。17日の県議会9月定例月会議に関連議案を提出する。

 木平教育長は、和解に応じる理由を「相手方が区切りを付けて次のステップへ(進む)ということであれば、我々もできる限り区切りを付けたい」と説明。「こうした事案が二度と起こらないよう子どもの思いに寄り添い、いじめ防止に取り組みたい」と述べた。

 県教委によると、津地裁の和解案に基づき、県は女性が同級生らから受けた行為をいじめ防止対策推進法が定める「いじめ」や「重大事態」と認定し、謝罪する。女性側は県への損害賠償請求を放棄する。津地裁は7月30日に和解を勧告した。

 訴状によると、女性は高校1年だった平成27年10月から同級生らに無視されるなどのいじめを受けた。2年生のときには会員制交流サイト(SNS)で中傷され、不登校となった。女性は学校側が適切に対応しなかったとして、29年7月に提訴した。

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 同級生から受けたいじめについて学校が指導や対策を怠り、その後、ツイッターなどに「不登校になってくれませんか」などと悪口を書き込まれて被害が拡大したとして、津市の県立高校3年の女子生徒が三重県を相手取り、慰謝料など約170万円の支払いを求める訴訟を先月、津地裁に起こした。
 訴えによると、生徒は1年生だった2015年10月ごろから部活の同級生らに集団で無視されるなどのいじめを受け、不登校になった。父親が翌月、学校に被害を申し出たが、学校側は「いじめではない」と判断していたという。
 また生徒側は、当時の教頭から「いじめ重大事態に認定してもよいが、(同校に在籍する)生徒の姉の大学受験に悪影響が出る」などと、いじめの申告を思いとどまるよう勧告されたとも主張している。
 その後、生徒は2年生に進級して登校を再開したが、悪口の書き込みが原因で再び不登校になった。
 訴えに対し、学校長は10日の会見で、教頭がいじめの申告を思いとどまるよう言ったかどうかについては「調査委員会で確認しているところ」と話した。
 県教育委員会は書き込みが元で不登校になったことについて、いじめの重大事態と認定。いじめ防止対策推進法に基づき、学校が昨年10月、弁護士や教員らでつくる調査委員会を設置した。

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