三重大病院、複数の医師が退職届 不正請求問題、手術に影響の恐れ
共同通信 2020/9/27(日) 15:48配信
三重大医学部付属病院(津市)の准教授がカルテを改ざんし診療報酬を不正請求した問題を受け、准教授が所属する臨床麻酔部の複数の麻酔科医が退職届を提出したことが27日、病院関係者への取材で分かった。病院は手術の件数を減らす方向で検討を始めた。病院幹部は「救急外来の受け入れに支障が出る」などとしており、不祥事による影響が患者や地域医療に及ぶ可能性が出ている。
病院関係者によると、9月上旬以降、少なくとも5人が退職届を提出。「一身上の都合」などと説明しているという。このまま全員が退職すれば、自宅謹慎中の准教授と教授を含め、臨床麻酔部の約4割が欠けることになる。
三重大付属病院(津市)の医師が手術で薬剤を投与したように電子カルテを改ざんし、診療報酬を不正請求していた問題で、伊佐地秀司病院長が11日、三重大で記者会見を開き、第三者委員会による調査結果を明らかにした。上司の推奨する薬剤の使用実績を上げるため、臨床麻酔部の医師が単独で行ったと認定され、医師は「上司によく思われたかった」と話しているという。
病院長は2人の肩書を公表しなかったが、大学関係者によると、医師は40歳代の准教授、上司は50歳代の教授。
第三者委の調査では、教授は「合併症を減らせる効能がある」として、抗不整脈剤「ランジオロール塩酸塩」の使用を推奨。それに応えようと准教授は2018年4月〜今年3月、同薬剤を生理食塩水に溶かして点滴使用できる状態にして手術室に持ち込み、使わなかった時は廃棄していた。
カルテ改ざんは、薬剤師から記載内容と在庫が一致しないとの指摘を昨年3月頃に受け、つじつまを合わせていたという。
第三者委は、薬剤の使用実績が伸びれば製薬会社にアピールできることから、教授に奨学寄付金を依頼したいという意思があったとみられると指摘。調査では製薬会社と2人の間で金銭の授受は確認できなかったという。
伊佐地病院長は「患者や県民に迷惑をかけ、申し訳ない。再発防止に努め、信頼回復に取り組みたい」と陳謝した。
三重大学病院の医師による診療報酬の不正請求、第三者委員会が不正の事実を認定しました。
三重大学医学部付属病院などによりますと、ことし3月、複数の医師が手術中に不整脈を防ぐ薬を実際は投与していないにもかかわらず、投与したかのようにカルテを改ざんしている疑いがあると、情報提供がありました。
大学の調査で、不正の疑いがある手術は約2200件で、被害総額は2800万円を超える見込みであることが判明。
その後、外部の医師や弁護士による第三者委員会が詳しく調査していましたが、「不正請求があった」とする報告書をまとめました。
調査対象になっている教授と准教授は現在自宅待機となっていて、大学病院は11日会見を開き、詳しく説明するということです。
三重大学病院の医師が、薬の投与をでっち上げ、不正に診療報酬を請求していたことが分かりました。
三重大学病院などによりますと、ことし3月に複数の医師が、手術中に不整脈を防ぐ薬を実際は投与していないにも関わらず、投与したようにカルテを改ざんしている疑いがあると情報提供がありました。
大学病院が医学部の教授と准教授の2人を調査したところ、改ざんの疑いがあるカルテは約2200件で、不正請求の総額は2800万円を超える見込みだということが分かりました。
大学病院は現在、外部の医師や弁護士による第三者委員会を設置し、詳しい調査を進めていて、遅くとも来週までには報告書をまとめる予定だということです。
また調査対象となっている教授と准教授は、現在自宅待機となっていて、大学病院は警察への被害届の提出も検討しています。
三重大学医学部付属病院(津市)の医師らが不必要な薬品投与に関わった疑いがあるとして、三重大が医師らを自宅謹慎にし、第三者委員会を設置して調査を進めていることが、大学側への取材で分かった。
三重大によると、付属病院の教授と准教授の2人が不要な薬を購入したり、患者に不必要な薬を投与したりした疑いがあるとして、第三者委が調査している間、2人を自宅謹慎にしているという。
病院関係者からの情報提供をきっかけに調査が始まったといい、第三者委は患者のカルテの調査などを進めている。健康被害が出た患者はいないという。(甲斐江里子)