奄美中1自殺 再発防止策の実行確認へ第三者委 「生徒指導ハンドブック」も調査委了承 鹿児島

奄美中1自殺 再発防止策の実行確認へ第三者委 「生徒指導ハンドブック」も調査委了承 鹿児島
南日本新聞 2020/10/7(水) 18:00配信

 奄美市の公立中学1年男子生徒=当時(13)=が2015年11月に自殺した問題で、市教育委員会は6日、再発防止対策検討委員会(委員長・假屋園昭彦鹿児島大大学院教授)を開き、再発防止策最終案「生徒指導ハンドブック」が了承された。第三者調査委員会が18年12月、市に提出した調査報告書と併せて活用する。遺族が求めた防止策の実施状況をチェックする「第三者評価委員会(仮称)」設置も申し合わせた。

 9回目の対策検討委は冒頭以外、非公開。委員らによると、最終案は「指導態勢」「体罰・暴言」「教育相談」「教育委員会の対応」の4項目で構成。いじめや不登校に学校全体で取り組む組織的対応や情報共有の方法などを盛り込んだ。

 自殺に至る経緯や重大事態後の対策などについて正確な記述を求める意見が出され、再修正した上で来春をめどに各校に配布する。第三者評価委については市教委がメンバー選定など詳細を詰める。

 検討委終了後、遺族は「第三者評価委の設置は評価できるが、自殺までの経緯について市教委による検証は不十分なまま。(了承する形になったが)最終案に納得していない。検証を求め続け、防止策が実行されるかチェックしていく」と話した。

 假屋園委員長は「亡くなった生徒、遺族の思いを反映させようと取り組んできた。これで終わりではなく、学校で実践してもらい、問題があれば改善していく。事案を忘れないことが私たちの責務」と述べた。

 第三者調査委は報告書で、生徒をいじめた加害者と誤認した「担任の指導が自殺の原因」と認定。自殺翌日の臨時校長研修会で「いじめた側が自殺」と誤った断定をしたことも問題視した。市教委は第三者委の提言を踏まえ昨年5月、弁護士や学校関係者らによる再発防止対策検討委を設置、具体策を検討してきた。

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