剣道部顧問が正座強要・竹刀で十数回頭たたき鎖骨に突き…「体罰でPTSD」女子生徒が提訴
読売新聞オンライン 2020/10/29(木) 8:04配信
千葉県鴨川市立長狭学園(小中一貫校)で2016年、剣道部顧問の男性教諭から体罰を受けた当時中学2年の女子生徒(18)と両親が市を相手取り、慰謝料など約4800万円の賠償を求める訴訟を千葉地裁木更津支部に起こした。体罰が原因で、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したとしている。
訴状によると、男性教諭は16年11月1日、早朝練習の指導中によそ見をしたとして女子生徒を正座させ、竹刀で頭を十数回たたき、鎖骨に突きを加え、足で蹴るなどした。女子生徒は脳しんとうの疑いがあると診断され、約1か月入院した。
退院後、保健室登校を続けたが、体罰の記憶がよみがえり、私立中学に転校。複数の医療機関からPTSDと診断された。通信制高校へ進んだものの、登校時には母親の送迎や付き添いが必要という。
原告側は「暴行事件以外にPTSDに罹患(りかん)する事情はない」と主張。市側は9月17日の第1回口頭弁論で「体罰によって発症したとの主張について争う」として、請求棄却を求めた。亀田郁夫市長は28日の定例記者会見で「訴訟には真摯(しんし)に対応したい」と話した。
男性教諭は16年12月、女子生徒に対する傷害罪で館山簡裁から罰金50万円の略式命令を受けた。県教育委員会は17年1月、停職6か月の懲戒処分とした。